環境・公害対策部だより
【声明】東京電力柏崎刈羽原発6・7号機の 新規制基準適合判断に抗議する
2017.10.11
東京電力柏崎刈羽原発6・7号機の新規制基準適合判断に抗議する
兵庫県保険医協会
環境・公害対策部長 森岡芳雄
原子力規制委員会は、東京電力柏崎刈羽原発6・7号機の再稼動について、新規制基準に適合すると認める審査書案を了承した。柏崎刈羽原発は2007年7月に設計時の基準加速度の2倍を超える新潟中越沖地震に見舞われており、6、7号機ともに核燃料プールを損傷し、放射性物質の漏洩事故を起こし、燃料制御棒の引き出しに困難を生じた原発である。原発において原子炉格納容器より内部の損傷は技術的に確かめようがなく、この地震で内部損傷をきたしている可能性は否定できない。柏崎刈羽原発6・7号機は、いまだ事故の原因が究明されていない福島第一原発と同じ沸騰水型であり、今後、同様の事故を起こす可能性を内包した、危険な原発である。
今回の新規制基準の審査中においても、重要ケーブルの対策に不備が見つかっている。福島原発事故の処理でも地下水をくみ上げる井戸の水位を誤って計測していたなど、原発事故後の対応や、被災者対応を見ても、東京電力にとても原発を運転させる管理・運営責任能力、適格性があるとは思えない。
われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。
原子力規制委員会による東京電力柏崎刈羽原発6・7号機の規制基準適合判断に強く抗議するとともに、その取り消しを求める。政府・東京電力には、原発ゼロを求める国民の声に耳を傾け柏崎刈羽原発の再稼働を断念し、今すぐ廃炉にするよう強く求める。