兵庫県保険医協会

福井県知事の関西電力大飯原発

再稼働同意に対して強く抗議する

兵庫県保険医協会

第1068回理事会

　関西電力大飯原発3・4号機（福井県おおい町）の再稼働について、西川一誠福井県知事は11月27日、同意の判断をした。東京電力福島第一原発事故の収束作業も見通せず、多くの国民が「脱原発」を求めている中での原発の再稼働は断じて許されない。再稼動を容認した西川知事に強く抗議する。

　大飯原発3・4号機の安全性を審査する福井県の原子力安全専門委員会が22日に出した、「必要な対策は確保できている」と評価する報告書を受けて西川知事は再稼動に同意したが、大飯原発3・4号機は、2014年に福井地裁によって「安全技術や設備は、確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ちうる脆弱（ぜいじゃく）なもの」などとして関電に運転差し止めを命じる判決を出した原発であり、現在も控訴審が行われている。重大事故が起こる危険性は否定できない。

　福井県知事の同意をもって、関西電力は原発再稼動の手続きに入ると見られる。しかし、重大事故時の避難計画は不十分極まりなく、高浜原発との同時被災も想定していない。原発の重大事故発生時の放射能汚染は広域であり、原発立地自治体だけで地元同意がなされたとするのは不適切である。関西電力は、原発から30km圏内に位置する再稼動に懸念を表明しているすべての自治体と住民の声を尊重し、再稼働計画を中止すべきである。

　われわれは、いのちと健康をまもる医師・歯科医師として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働に断固反対する。大飯原発3・4号機の再稼働計画の中止と脱原発、原発廃炉を基盤にした地域再生への助成を政府・関西電力に強く求める。