環境・公害対策部だより
【声明】大飯原発3号機の再稼働に強く抗議する
2018.03.14
関西電力株式会社取締役社長 岩根茂樹殿
大飯原発3号機の再稼働に強く抗議する
兵庫県保険医協会
環境・公害対策部長 森岡芳雄
関西電力は、本日、大飯原発3号機を再稼働させた。また、同4号機の再稼働の準備をも進めている。東京電力福島第一原発事故の収束作業も見通せず、多くの国民が「脱原発」を求めている中での原発の再稼働は断じて容認できない。
大飯原発3・4号機は、2014年、福井地裁によって「安全技術や設備は、確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ちうる脆弱(ぜいじゃく)なもの」などとして関電に運転差し止めを命じる判決が出された原発である。関電の控訴により、名古屋高裁金沢支部で現在も係争中である。関西電力が「判決が差し止めと確定しない限り、法的に再稼働は可能だ」として、裁判所の判断を待たず再稼働させるのは司法無視の暴挙である。
原子力規制委員会による安全審査でも、主要な判断基準だった基準地震動(最大の揺れ)の算定方式について、専門家から過小評価の可能性が指摘されており、重大事故が起こる危険性は払拭されていない。
また、原発が集中する福井県では、巨大地震等により同時事故が起こる危険性もある。特に高浜・大飯両原発は直線距離で約13.5キロしか離れていないにもかかわらず、原発事故の避難計画は同時事故を想定していないなど、不十分極まりない。さらに、原発の核燃料廃棄物貯蔵プールも再稼働すれば6年で満杯になるなど、使用済み核燃料の処分方法確立のめども全く立っておらず、そうした中で原発を再稼働させるのはあまりにも無責任である。
関西電力は、福島原発事故の反省に立たず、自社の利益追求に走り、多くの国民が「脱原発」を求めているにも関わらず再稼働を強行した。いのちと健康をまもる医療者として、このことに、われわれは強く抗議するとともに、大飯原発3号機をはじめ、現在稼働中の原発すべてを停止させ、廃炉するよう関西電力に強く求める。