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【声明】トラブルを起こした玄海原発3号機の即時稼働停中止を求める

2018.04.14

九州電力株式会社代表取締役社長 瓜生道明殿

トラブルを起こした玄海原発3号機の即時稼働中止を求める

兵庫県保険医協会

第1073回理事会

 九州電力は、国民の反対の声と不安を置き去りにしたまま3月23日、玄海原発3号機を7年3カ月ぶりに再稼働させた。しかし、再稼働からわずか7日後の3月30日、2次冷却水の配管で蒸気漏れを起こし、臨時の点検により、配管に直径約1cmの穴があいていることが判明した。

 玄海原発では、2007年にも核燃料に直接触れる1次冷却水につながる配管でひび割れが見つかっている。地元住民らでつくる市民団体が「検査体制は未改善。経年劣化による配管の損傷で重大事故の恐れがある」などとして、3、4号機の再稼働差し止めを求める仮処分を申請したが、佐賀地裁は昨年6月、「九州電力が必要な対策を実施しており、同様の事態が生じる恐れがあるとは認めがたい」として、申し立てを却下した。だが、今回のトラブル箇所は11年前に47年間保障され、熊本地震の後の特別点検対象から外され、事故発生3日前の巡視点検で外装の錆が認められているにもかかわらず、放置されている。九州電力の検査体制・検査能力、設備への評価能力、安全対策姿勢は極めていい加減なものであり、机上の書類審査でしかない新規制基準審査に合格したところで、玄海原発の安全性が保障されていないことが改めて明白となった。

 さらに、今回のトラブルが、九州電力から佐賀県に報告されたのは、蒸気漏れが確認されてから2時間も経った後だった。住民のいのちと健康を軽視する九州電力の姿勢の表れであり、このことも看過できない。

 玄海原発3号機は停止後約7年が経過し、停止に伴う設備の劣化の可能性も十分考えられる。臨界状態を維持せず、即時稼働を中止させ、改めて点検しなおすべきだ。また、同様のトラブルが他の原発で起こる可能性は高い。すでに稼働した原発でも総点検が必要である。

 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を産出し続ける原発の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。プルサーマル発電を行い、より危険性の高い玄海原発3号機の即時稼働中止と稼働中のすべての原発を停止させ、総点検を行うよう、政府・九州電力に強く求める。

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