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【声明】原発・石炭火発に固執する「エネルギー基本計画」閣議決定に抗議する

2018.07.14

内閣総理大臣 安倍晋三殿

原発・石炭火発に固執する「エネルギー基本計画」閣議決定に抗議する

兵庫県保険医協会

第1078回理事会

 安倍政権は7月3日、第5次「エネルギー基本計画」を閣議決定した。計画案の段階で多くの国民と市民団体から、原発依存を脱却し、再生可能エネルギーの拡大へ抜本的転換を求める意見が相次いでいたにもかかわらず、原発と石炭火力発電を「重要なベースロード電源」と位置づけ、2030年度の電力の約2割を原発で、2~3割を石炭火発で賄うとしている。これは、すべての原発の再稼働を進め日本を原発依存社会へと逆戻りさせるばかりか、CO2排出量が多い石炭火発への依存を強める政策であり、断じて容認できない。

 世界では、持続可能な社会への転換をめざし、温暖化対策の一環としてエネルギー政策の柱を省エネルギーと再生可能エネルギーに移している。日本も、省エネルギーの徹底と再生可能エネルギーのさらなる推進が求められるが、石炭火力を「重要なベースロード電源」と固執している「基本計画」は、世界の流れに逆行するものである。CO2排出削減を名目に「基本計画」では原発再稼動を進めるとしているが、福島原発事故により、ひとたび重大事故が起これば、環境に深刻な被害を与えるという原発の危険性が広く世に知れ渡った現在、多くの国民が「原発ゼロ」を求めている。国民の声を無視して、地球温暖化対策など環境問題を口実に原発を推進することは許されない。

 また、原発の使用済み核燃料から取り出した多量のプルトニウムは、核兵器への転用を懸念する国際社会から厳しい目が向けられている。この処理のため「基本計画」は、依然として核燃料サイクル推進を掲げているが、プルトニウム利用の中心であった高速増殖炉「もんじゅ」は廃炉となるなど、核燃料サイクルは完全に破たんしている。そのような中で原発を稼働させれば、処理の見通しがない核のゴミが増えるだけである。原発の再稼働も核燃料サイクルも断念し、原発ゼロの日本を決断することこそ、現実的な選択である。

 いのちと健康をまもる医師・歯科医師として、政府に対し、原発を推進し石炭火発に依存する「エネルギー基本計画」は撤回するよう求める。

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