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【声明】原発を優先する太陽光発電の出力抑制に抗議する

2018.10.27

九州電力株式会社代表取締役社長 瓜生道明殿

原発を優先する太陽光発電の出力抑制に抗議する

兵庫県保険医協会

第1084回理事会

 九州電力は10月、太陽光発電を行っている一部の事業者を対象に、発電を一時停止させる「出力制御」を実施した。原発4基を動かし続ける一方で太陽光発電の抑制は、再生可能エネルギー普及のブレーキとなり、「脱原発、再生可能エネルギーの拡大」を求めている多くの国民の民意に逆行することにつながり、断じて容認できない。

 太陽光発電の出力制御について、九州電力は、電力需要が減って供給が増えて電力需給のバランスが崩れると大規模停電を起す恐れがあり、それを回避するためだと主張している。しかし、この問題の根幹は、九州電力が4年前から太陽光発電の拡大に伴う出力制御を想定していたにもかかわらず、本州など他の電力会社に送電する「連系線」のシステムの拡充や蓄電設備など、出力制御の回避策を打たなかったことにある。

 さらに九州電力は、脱原発を求める国民の声を無視し、川内原発1・2号機(鹿児島県)に続き、佐賀県の玄海原発3・4号機の再稼働を強行してきた。太陽光発電の導入が進み、電力が余ることが分かっていながら、計200万キロワット分(日中の電力需要の半分)以上供給を増大させたことになる。原発再稼働を最優先させ、再生可能エネルギーを押しとどめる九州電力の姿勢は看過できない。

 原発再稼働が、再生可能エネルギー普及の妨げにしかならないことはいよいよ明白になってきている。全国的に太陽光発電などが普及すれば、他の電力会社でも出力制御を行う事態に直面しかねない。原発に依存せず、再生可能エネルギーをフル活用できるような供給の仕組みへ見直しが急がれる。

 われわれは、いのちと健康をまもる医療従事者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。九州電力には原発を即時廃炉にし、太陽光発電の出力制御をやめるよう求める。政府には原発依存の日本のエネルギー政策を転換し、再生可能エネルギー優先、原発ゼロへ舵を切るよう求める。

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