環境・公害対策部だより
抗議声明
東京電力福島第一原発汚染水の海洋投棄に強く抗議し、中止を求める
2023.09.15
協会は9月2日、正副理事長会にて、東京電力による福島第一原発汚染水の海洋投棄に対し、強く抗議し中止を求める下記の声明を採択し、関係機関に送付した。
東京電力は8月24日、東電福島第一原発事故で発生したALPS処理水(ALPS処理後汚染水、単に汚染水)の海洋投棄を開始した。
福島県内外の漁業関係者をはじめ、国民の多くが反対の声を上げる中で、岸田首相は「今後数十年にわたろうとも、漁業者が安心してなりわいを継続できるように必要な対策を取り続けることに全責任を持って約束する」とし、将来にわたってなんら実効性のある保証制度を確立することもなく、海洋投棄を強行した。これは政府・東電の「関係者の理解なしにいかなる処分もしない」との約束を踏みにじるものであり、強く抗議する。
政府・東電はトリチウム以外の放射性物質をALPSで取り除き、基準値以下に引き下げるので安全な「処理水」であると説明しているが、万全な対策を謳いながらずさんな対応で種々の事故、維持・管理・対策不備を起こし、柏崎刈羽原発の運転禁止命令を受けるなど、住民との約束をことごとく反故にしてきた東電がALPSによって、汚染水の再処理を確実に行い、安全に今回の計画を遂行することができるとは到底信じ難い。また、正常稼働中の原発の二次冷却水中では間接的に中性子線を浴びて励起することによってトリチウムだけが発生する。このトリチウムが含まれたものと高濃度放射能デブリに直接触れた汚染水をトリチウム濃度だけで同じもののように喧伝する政府を信用することはできない。
われわれはかねてから、現在タンクに保管されているALPS汚染処理水の約7割は、処理が不十分でトリチウム以外の放射線物質も基準を超えて含まれている汚染水であり確実に再処理が行われる保証がなく、トリチウム自体の安全性にも疑念がある中で、懸念されているのは風評被害ではなく実害に他ならないこと、処理方法について、現状、地上での保管場所の確保も可能であることを示し、汚染水海洋投棄に反対の意志を示してきた。
いのちと健康をまもる医療者として、放射性汚染物質による健康被害を矮小化し、世界中に放射能汚染をばらまく懸念のある汚染水の海洋投棄を中止することを政府と東電に強く求める。
抗議声明
2023年9月2日
東京電力福島第一原発汚染水の海洋投棄に強く抗議し、中止を求める
兵庫県保険医協会 環境・公害対策部長 森岡 芳雄
東京電力は8月24日、東電福島第一原発事故で発生したALPS処理水(ALPS処理後汚染水、単に汚染水)の海洋投棄を開始した。
福島県内外の漁業関係者をはじめ、国民の多くが反対の声を上げる中で、岸田首相は「今後数十年にわたろうとも、漁業者が安心してなりわいを継続できるように必要な対策を取り続けることに全責任を持って約束する」とし、将来にわたってなんら実効性のある保証制度を確立することもなく、海洋投棄を強行した。これは政府・東電の「関係者の理解なしにいかなる処分もしない」との約束を踏みにじるものであり、強く抗議する。
政府・東電はトリチウム以外の放射性物質をALPSで取り除き、基準値以下に引き下げるので安全な「処理水」であると説明しているが、万全な対策を謳いながらずさんな対応で種々の事故、維持・管理・対策不備を起こし、柏崎刈羽原発の運転禁止命令を受けるなど、住民との約束をことごとく反故にしてきた東電がALPSによって、汚染水の再処理を確実に行い、安全に今回の計画を遂行することができるとは到底信じ難い。また、正常稼働中の原発の二次冷却水中では間接的に中性子線を浴びて励起することによってトリチウムだけが発生する。このトリチウムが含まれたものと高濃度放射能デブリに直接触れた汚染水をトリチウム濃度だけで同じもののように喧伝する政府を信用することはできない。
われわれはかねてから、現在タンクに保管されているALPS汚染処理水の約7割は、処理が不十分でトリチウム以外の放射線物質も基準を超えて含まれている汚染水であり確実に再処理が行われる保証がなく、トリチウム自体の安全性にも疑念がある中で、懸念されているのは風評被害ではなく実害に他ならないこと、処理方法について、現状、地上での保管場所の確保も可能であることを示し、汚染水海洋投棄に反対の意志を示してきた。
いのちと健康をまもる医療者として、放射性汚染物質による健康被害を矮小化し、世界中に放射能汚染をばらまく懸念のある汚染水の海洋投棄を中止することを政府と東電に強く求める。