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抗議声明 大飯原発3・4号機の運転開始40年までの 管理計画を認可した新制度に 強く抗議する

2024.07.06

協会は7月6日、正副理事会にて下記の抗議声明を採択し、関係機関に送付した。

2024年7月6日

 


抗議声明

大飯原発3・4号機の運転開始40年までの
管理計画を認可した新制度に
強く抗議する

兵庫県保険医協会
環境公害対策部長 森岡芳雄

原子力規制委員会は6月26日、関西電力大飯原発3、4号機について、運転開始40年までの管理計画を認可した。昨年5月に導入が決まった運転開始30年を起点に最長10年ごとに計画を審査する新制度に基づく対応で、認可は全国の原発で初めてである。認定により、大飯3号機は2031年12月、4号機は33年2月まで運転できるようになった。

稼働30年を超える原発では、照射脆化などで原子炉圧力容器をはじめとする構造体は確実に劣化しており、安全性は低下している。当初設計時の計画使用年限も過ぎている。原子炉格納容器内の構造物に関しては、詳細な評価は困難であり、更新も不可能である。

昨年5月の国会で、「GX脱炭素電源法」が成立。最長60年としてきた原発の運転期間から規制委の審査などによる停止期間を除外することで、60年超の運転が可能になったが、今回の新制度は事故発生時の被害の甚大性や施設の安全性に対する科学的に不十分な根拠について、正しく評価することなく、全国の老朽原発の最大限活用を掲げる国の方針をさらに推進した。当然考慮されるべき原発災害時の避難計画が認可審査対象外であること自体、不条理であり、大問題と言えるが、今年1月の能登半島地震では家屋の倒壊、地割れ等による道路網の寸断、港湾設備の損傷が相次ぎ、地震と原発事故による複合災害での避難計画が根底から破綻していることが明らかになっており、非常に無責任である。さらに、過去には大飯原発3・4号機は耐震設計の基準に問題があるとして、差し止め判決も出されている。

われわれは、いのちと健康を守る医師・歯科医師として事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない半永久的に危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。我々は今回の新制度及び原子力規制委員会の認可に強く抗議するとともに、大飯原発3・4号機の稼働を停止し、今すぐ廃炉を決定するよう強く求める。

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