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【抗議声明】老朽化した川内原発1号機の40年超の運転に強く抗議する

2024.07.27

 抗議声明 

 九州電力株式会社 取締役会長 瓜生 道明 殿

 原子力規制委員会 委員長 山中 伸介 殿

 

老朽化した川内原発1号機の

40年超の運転に強く抗議する

兵庫県保険医協会

第1194回理事会

 

鹿児島県薩摩川内市の九州電力川内原発1号機が1984年7月4日運転開始から40年を超え、最長20年の運転延長に入った。原発の40年超の運転認可は、新規制基準になってからでは初めてであり、関西電力の高浜1、2号機、美浜3号機に次いで4基目となる。本来、原発は設計当時40年を耐用年数として設計されており、40年超の稼働認可は、福島原発事故を契機に極めてまれとされたものである。杜撰な認可基準をもって、稼働延長を認可することは赦されない行為である。池辺和弘社長は6月26日、記者会見で「40年は一つの節目ではあるが通過点」と語った。われわれは危険な原発の40年超の運転に強い憤りをもって抗議する。

稼働40年を超える原発では、照射脆化などで原子炉圧力容器をはじめとする構造体は確実に劣化しており、それに伴い、安全性も低下している。原子炉格納容器内の構造物に関しては、詳細な科学的評価は困難であり、更新も不可能である。

川内原発をめぐっては、40年を超える運転期間の延長について、去年10月住民らが、鹿児島県議会に運転延長の是非を問う県民投票の実施を求めたが、賛成少数で否決されている。専門家からも「火山影響評価は科学的とはいえない」と指摘されており、火山リスクも大きい。運転延長は市民の声を無視し、市民のいのちと安全を軽視したものと言わざるを得ない。

当然考慮されるべき原発災害時の避難計画が認可審査対象外であることも不条理である。今年1月の能登半島地震では、家屋の倒壊、地滑り、地割れ、液状化、隆起等による道路網の寸断、港湾設備の損傷が相次ぎ、複合災害発生の下での原発事故の避難計画が根底から破綻していることが明らかになっており、非常に無責任で、大問題である。

われわれは、いのちと健康を守る医師・歯科医師として事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない半永久的に危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。我々は今回の老朽化した川内原発1号機の40年超の運転に強く抗議するとともに、原子力規制委員会にすべての原発の40年超の稼働認可を取り消し、今後、認可することのないようにすることを求めるとともに、九州電力株式会社に対し、稼働する玄海原発3、4号機、川内原発1、2号機の運転を直ちに停止し、今すぐ廃炉を決定するよう強く求める。

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