兵庫県保険医協会

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勤務医の先生へ(ごあいさつ)

理想の医療に向け、共に活動を

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【にしやま ひろやす】
昭和32年大阪で生まれ、4歳時明石へ転居。明石市市立人丸小学校、神戸大学教育学部附属明石中学校、兵庫県立加古川東高等学校卒業後、昭和57年 神戸大学医学部を卒業。神戸大学(旧)第一外科(齋藤洋一教授)に入局し、(旧)加古川市民病院、市立加西病院、帝京大学医学部附属救命救急センター、(旧)国立神戸病院、田畑胃腸病院等での勤務を経て、平成4年に明石にて西山クリニックを継承。大学での研究テーマは肝移植で、学生時代にはヨット部に所属

 勤務医の皆さま、こんにちは。兵庫県保険医協会の理事長 西山裕康です。

 まずは、当協会を紹介いたします。

 当協会は「開業保険医の生活と権利を守る」「患者・住民とともに地域医療の充実・向上をめざす」ことを目的とし、現在会員約7,470人(うち勤務会員は約1,700人)からなる県内でも有数の医師・歯科医師の団体です。創立は1969年で、2019年6月には50周年を迎えます。(詳しくは「当協会について」をご覧ください。)

 

 さて、平成の30年間を振り返りますと、我が国は世界に先駆けて少子高齢化、人口減少社会に突入し、経済の低迷と相まって、社会保障費の増嵩が政府の借金、国家財政悪化の主因で、経済成長の足を引っ張る「お荷物」のように言われました。いうまでもなく、これらは自然現象ではなく、国民から選ばれた時々の政府の政策による結果といえます。途中、政権交代や医療・医療保険、介護・福祉、年金制度の改革などもありましたが、一貫して「経済財政」に重きを置き、社会保障給付費の抑制と消費税の増税路線が今も基本となっています。

 医療においても「医療費亡国論」に端を発する「医療費抑制」を底流とし、診療報酬抑制、患者負担増加などがすすめられています。

 最近は、これらの方針をより具現化するために、地域医療構想に伴う急性期を中心とした病床削減、自治体病院の統廃合、医師の地域・診療科偏在解消、新専門医制度の創設や医師の働き方改革など、勤務医の先生方にも関係の深い大きな変化が始まっています。私たち協会会員も全員、かつては勤務医でしたが、当時に比べると、今はより厳しい時代に差し掛かっていると思います。

 私たちは協会の2つの目的を中心に置き、これらの政策に主に反対の立場で活動してきましたが、十分な成果を得ていないとの評価もあるかもしれません。

 

 さて、安全で有効な最新の専門的「医学」を追求し、目の前の患者さんに提供する事は、若い先生方の社会的責務ですが、それら「医学」の「社会的適応」が「医療」です。「医療」を必要とするすべての患者さんに「医学」を提供するためには、公的医療保険制度の範囲や価格や負担の観点も重要であり、それらを決定するのは主に「医療制度」と「診療報酬制度」です。医師の仕事と生活の大半、つまり人生そのものも、両者に大きく影響されるため、その評価はともかく無関心であってはなりません。新たな課題に対応すべきは、新しい世代です。先達たちが苦心して作り守ってきた国民皆保険制度上で働くだけでなく、自身の考える最適な「医療」を目指し、関心と知識と意見をもち活動する事にも、少々時間を割いていただければと希望します。

 

 協会は開業医中心の団体ですが、新たに勤務医部会も立ち上げ、勤務医の先生方の役に立つ、頼りになる活動により一層力を入れていく所存です。現在の勤務医先生方の関心事、問題点を拾い上げ、これからの活動に生かしたいと思いますので、ぜひ、忌憚ないご意見をお聞かせ下さい。

 私たちは「いつでも、どこでも、だれでも」という理想の医療制度を目指して今後も活動いたします。

 まずは当ホームページを、興味ある所からお目通しいただき、共に考え活動できれば、私たちにとってこれ以上の幸せはありません。未入会の方は、ぜひともご入会下さい。

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