兵庫県保険医協会

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二〇一三年神戸市長選挙にあたって 開業保険医師、及び歯科医師の重点要求(案) 2013年9月 兵庫県保険医協会神戸支部

2013.09.15

 10月13日告示、10月27日に投開票が行われる神戸市長選挙について、協会神戸支部は以下の通り重点要求(案)を発表した。特定の候補者の支持推薦は行わないが、要求(案)をもとに候補者へのはたらきかけやアンケートを行っていく予定。

はじめに 

2013年神戸市長選挙は、TPP参加や原発問題、南海トラフ巨大地震への対応など、国政レベルの重要な問題が山積する中で行われるものであり、全国有数の政令指定都市の首長として、また阪神・淡路大震災から18年を経た被災都市の市長の姿勢は、これらに大きな影響をあたえるものである。
 我々は、市民の第一線医療を担うものとして、医療政策のみでなく、市民の平和と安全を確保するという点から、国政問題を含めて、下記の要求の実現を求めるものである。

Ⅰ、国政の重要課題について

1、TPP参加に反対すること
 安倍内閣のTPP交渉参加により、国民皆保険が形骸化する恐れがきわめて強くなった。交渉内容が国民に開示される可能性も低く、秘密審議で国民に知らされないままTPPに参加することは許されない。

2、原発ゼロをめざし、自然エネルギーへの転換をめざすこと

 史上最悪の被害をもたらした福島第1原発事故に対して、未だ収束できず検証も不十分な中で、原発の再稼働は断じて容認できない。全原発を廃炉にする道に踏み出すことを求めるべきである。同時に、自然エネルギーを抜本的に増やすために、神戸市で可能な太陽光発電、風力発電などを実施すべきである。
 

3、新自由主義政策と消費税増税に反対すること

 小泉政権以来の新自由主義政策は、国民生活と社会保障を破壊してきた。社会保障制度改革推進法は、この新自由主義政策の焼き直し政策であり廃止すべきでものである。社会保障の財源不足を、消費税増税で国民に転嫁することは許されない。内部留保を増加させている企業の法人税増税や、富裕層に増税するなど、応能負担の原則に基づいて財源を確保すべきである。
4、東日本大震災被災者の生活復興を推進すること
 阪神・淡路大震災を上回る巨大災害であると同時に、原発事故による避難は、被災者に想像を絶する苦難をもたらしている。少なくとも生活を復興できるまでは医療費窓口負担は全額を助成すべきである。東北メディカル・メガバンク構想よりも、住民の頼りになる医療機関の再建を優先すべきである。仮設住宅は寒暖に耐えられる構造に改修し、コミュニケーションを維持するなど、住民の生活復興を第一に、神戸市の復興施策の誤りを教訓として発信することが必要である。

Ⅱ、神戸市の医療施策について1、医療産業都市施策を改善すること


(1)医療ツーリズムなどの受け皿とならないようにすること。
(2)KIFMEC(神戸国際フロンティアメディカルセンター)が移植ツーリズムなどを受け入れないようにすること。
(3)県立こども病院の中央市民病院隣接地への誘致を中止すること。
(4)今後に予定されている病院建設計画は、一点に集中するのではなく分散型とすること。
(5)先端医療産業都市の防災計画を一から見直すこと。とくにバイオハザードに対する危機管理についてガイドラインを策定すること。臨床病棟に入院する患者の移送計画を策定しておくこと。
 関西近隣の原発が事故を起こした場合についても、明確な指針をもうけること。
2、福祉医療制度を拡充すること
(1)子どもの医療費助成は、県助成(2割負担)に上積みし、中3まで無料にすること。
(2)老人医療費助成制度対象者の所得制限を緩和し、該当する人口の半数程度を対象とすること。
(3)重度障害者(児)、母子家庭等についても患者負担を軽減すること。
(4)院外処方における薬局での負担をなくすこと。
(5)受給資格者に対しては、市側から受給者証を発行するよう制度を整えること。
3、国民健康保険を改善すること
(1)一般会計からの繰入金を増額し、安心して払える保険料にすること。
(2)「特別な事情」がないことを確認できない限り、資格証明書や短期被保険者証を発行せず、正規の保険証を発行すること。
(3)国保法44条による一部負担金免除を拡充すること。
(4)実態に合わない国保広域化に反対し、国庫負担増を要求すること。
(5)保険料算定方式を旧ただし書き方式に移行しないこと。
4、介護保険制度を改善すること
(1)保険料減免制度の所得制限を緩和すること。
(2)食費・居住費の利用者負担についての助成制度を新設すること。
(3)マンパワーの増員や特別養護老人ホームの増設、在宅ケアのための住宅改善を進めること。
5、小児ぜんそくに対する公費負担を復活すること
 医療費助成制度を復活すること。
6、保健所を区単位で設置し機能を高めること
 保健所を各区ごとに再配置し、区単位の公衆衛生・予防活動を前進させるため、区民の健康に責任を持てるスタッフを配置すること。
7、健康診断・予防活動
 予防活動を本格的に実施し、同時に早期受診につなげるように支援すること。


Ⅲ、阪神・淡路大震災関連について1、借り上げ住宅入居者の延長入居について


 阪神・淡路大震災で借り上げ住宅に入居した高齢被災者等に対して、転居を強制するのではなく、希望者の入居継続を認めること。
2、神戸空港に市民税を投入しないこと
 「神戸空港に市税は投入しない」の公約を守ること。住民投票に示された市民の意思を踏みにじり、赤字運営を続けている市政の責任を明らかにした上で、空港島の活用を検討すること。
 

 

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