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ワンコイン負担復活・薬剤費負担...  安倍内閣 患者負担増計画つぎつぎ

2014.09.15

 9月5日に発足した安倍第2次内閣は、さっそく来年度予算案編成へ動き出しているが、医療制度では、すでに財務省や厚労省の審議会レベルで、受診時定額負担の復活など、患者負担増メニューが目白押しとなっている(左表)。協会・保団連はこの秋に「ストップ患者負担増」をかかげて大運動を広げようと検討中である。
 

大運動でストップさせよう

 政府が検討課題としている患者負担増案は、表のように多岐にわたるもので、実施された場合には激烈な受診抑制が広がることは確実である。
 具体的内容を見ていくと、まず受診時定額負担は「外来受診時に、例えば1回100円など少額の負担を求める」という内容で、民主党政権時に持ち出されたもの。協会はもとより、医師会でも全面的な反対運動を行い、撤回させた経緯があるが、「導入について引き続き検討を進めるべき」(財政制度審議会)として安倍内閣のもとで再び導入が浮上している。
 医薬品の保険外しについては、「湿布、漢方薬など市販類似薬品の更なる保険適用除外を進める必要がある」としており、これも保険外し反対の運動で撤回させた経緯があるにもかかわらず、再び検討課題としている。
 さらに、特許の切れた先発品については、後発品との差額を患者負担にするとの方向も示されている。
 すでに自民党行政改革推進本部の無駄撲滅プロジェクトチームは、「生活保護患者については」と、生保受給者に限定する形での導入を提案している。「生保」に導入されれば、それを突破口に「『生保受給者』ですら患者負担なのに『一般』で保険財政から支給するのは不公平」と指摘されるのは明白で、結局は保険制度全体への拡大につながる可能性がある。
 また、今現在、保険適用されている医療技術等について、「費用対効果が低いものは保険適用から外し、保険外併用療養制度の対象とする『逆評価療養』も検討する必要がある」として、政府は保険外しをあからさまに求めている。

高齢者負担も激増

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改造内閣のもと、医療費抑制のための負担増がすすめられようとしている

 安倍内閣が特に強調しているのが、高齢者負担の見直しである。
 「高額療養費制度において70歳以上の者のみを対象として外来受診について設けられている低い水準の患者負担上限(一般所得者の場合、1万2000円)を見直す必要がある」として、外来の負担上限を入院時の4万4400円まで引き上げることが狙われている。さらに75歳以上の後期高齢者の負担割合1割の2割へ、70歳から74歳までの患者負担2割についても3割に引き上げようという方針まである。
 これら患者負担増メニューは、過去に何度となく登場したものもあり、財務省サイドからの要求に厚労省がすぐに応じるものでないにしても、これらが全体として患者負担増の流れをつくりだしており、きわめて危険な情勢である。すでに入院時の給食費負担増や大病院の紹介状なし受診は、金額案まで示されており、来年度予算で盛り込まれる可能性が高い。
 協会・保団連は、このような患者負担増を許さない署名運動に取り組むことにしている(次号に詳細)。ぜひご協力いただきたい。

 

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