政策宣伝広報委員会だより
県栄養士会と懇談 入院給食は治療の一環 食事療養費の自己負担増反対で連携
2015.05.25
上段右から、兵庫県栄養士会の岡郫智子理事、下浦佳之副会長、福島早知子副会長、小西厚子常務理事、近藤恭弘理事、下段右から、加藤擁一・西山裕康両保険医協会副理事長、榊由美子兵庫県栄養士会会長、池内春樹保険医協会理事長、武村義人副理事長
冒頭、池内理事長はあいさつで「入院給食は医療の一環であり、社会保障の一部として患者さんに保障されるべき。協会では、食事療養費の自己負担引き上げに反対しようと、ストップ患者負担増署名に取り組んでいる。ぜひ、ご協力いただきたい」と訴えたのに対し、榊会長は、県栄養士会が日本栄養士会とともに、入院給食は治療の一部であるとして、自己負担引き上げに一貫して反対しているとの立場を示し、会報に署名用紙を同封すると協力を快諾した。
懇談では、武村副理事長が「そもそも政府の統計でも2人以上世帯の食費は1食あたり240円程度とされている。今回の引き上げは負担が重すぎる」と述べた。これに対し、近藤理事は「確かに1食の負担が460円にもなれば、患者さんの中にはもっと低価格なコンビニやスーパーの食事の方がいいという方も出てくる。病院全体として入院給食の大切さを患者さんに知らせていく必要がある」と述べた。
西山副理事長は「政府は在宅との公平性を引き上げの理由の一つとしている」と指摘。下浦副会長は「病院では在院日数の短縮と在宅誘導が進められているが、そのためには短期間にきちんとした栄養管理指導を行い、在宅につなぐ必要があるが、在宅療養で適切な栄養管理指導が受けられる診療報酬体系になっていないことこそ問題だ」と解説した。さらに下浦副会長は、入院給食の診療報酬に関して「これまで業者との交渉や栄養士の工夫で何とか患者さんの状態に合わせた食事を用意してきたが、それでもムース状の食事などにすればとても賄えなかった。今回の引き上げは単に患者さんの負担を増やすだけで診療報酬を引き上げるものではない。これでは私たちはこれまで通りの食事しか用意できないが、患者さんにすれば負担が増えたのだから、もっと良い食事をと思うだろう」と現場の矛盾が広がるとの懸念を示した。