政策宣伝広報委員会だより
主張 戦後70年と安保法案
2015.09.05
今年は第二次世界大戦終結から70年の節目の年である。8月6日の広島、9日の長崎の原爆投下・被爆、8月15日の日本の終戦から70年が経った。
あの戦争とは何だったのだろうか。日清・日露戦争、第1次世界大戦を経て世界の大国の一員となった日本は、朝鮮を併合し、中国に満州国という傀儡国家を造り、対中国戦争を始めた。そして、その行為を容認しない国際連盟を脱退。米国・英国・オランダなどによる経済制裁を受け、資源の確保を目的としてインドネシアなど南方に進出。ドイツ、イタリアと三国同盟を結び、米国・英国との戦争に突入した。
この間、治安維持法等により、国民は戦争のために総動員され、戦争や政府を批判する報道・言論は厳しく規制・弾圧された。
この戦争について、アジア民族の自立を促し植民地時代を終わらせたとの意見もあるが、日本の侵略により多くの尊い命を奪ったことは事実であり、その侵略に対し、真摯な反省が求められる。
命・健康を守るはずの医師・歯科医師も動員され、旧日本陸軍731部隊の人体実験のように、戦争の加害者となった。 この歴史的事実を受け止め、われわれは人命を守る医療者として、いかなる戦争も容認してはいけない。
昨年成立した特定秘密保護法、現在参議院で審議中の安全保障関連法案は、「戦争放棄」を規定した第9条を持つ憲法の原則を脅かし、米国の戦争にどこまでも日本を巻き込む悪法である。70年前と同じことを二度とくり返さないため、憲法9条を名実ともに守るためのたたかいが求められている。
70年が経ち、一番の問題は、実際に戦争を体験し、その教訓を語る日本人が少なくなってきたことだ。しかし、戦争を体験していない若者たちが自発的に呼びかけたSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)が安保法案に反対の声を上げている。学者や保守政治家らも次々と反対を表明している。われわれも共にたたかいたい。