政策宣伝広報委員会だより
主張 平和・人権・社会保障を守るため 新国会に国民の声を届けよう
2017.01.25
1月20日から第193回通常国会が始まった。次年度予算案の審議が中心になる。安倍政権が昨年末閣議決定した「2017年度政府予算案と税制改正大綱」は社会保障費の大幅削減をはじめとして、国民生活をさらに苦境に追い込むような内容が数多く含まれており、容認しがたい。徹底審議の上、抜本的な見直しを要求したい。
安倍内閣が17年度予算案で削減の標的にしているのは、社会保障費である。高齢化等によって当然必要な自然増分を、当初予算の6400億円から1400億円削るとしている。これに沿って、今年は医療・介護の自己負担の月額上限額の引き上げや、入院患者の居住費(光熱水費)自己負担化、後期高齢者保険料引き上げ(軽減特例の廃止)などの改悪が計画されている。これらの負担増はとりわけ高齢者層にきびしく、「高齢者狙い撃ち」と強い批判があがっている。
政府の狙う医療改悪はこれにとどまらない。社会保障費の自然増は毎年5000億円に抑え込むとして、来年以降も、高齢者の医療費窓口負担や介護利用料の負担率引き上げ、「かかりつけ医」以外の受診での窓口負担上乗せ、市販品類似薬の保険外し、要介護1・2の保険外し、年金支給開始年齢の引き上げなどの「実施をめざす」としている。政府は"社会保障制度を維持するため"と宣伝するが、これでは制度以前に国民生活が維持できない。国民皆保険制度と憲法25条の理念の崩壊につながる。
予算案の歳出では、防衛費の伸びが710億円増と突出している。昨年沖縄で墜落事故を起こしたオスプレイの購入費や大学などの軍事研究への助成費大幅増額などが目につく。「アベノミクス」関連の大型公共事業費も上積みされている。また、歳入では、大企業向けの「研究開発減税」をさらに拡大しようとしている。これらの歳入・歳出を見直しすることによって、社会保障費の必要額は捻出できるはずだ。
今国会では、市民運動の弾圧に悪用されかねない「共謀罪」法案も提出されるという。平和・人権・社会保障を守るための節目となる国会であると言える。署名活動や国会要請行動を通じて、会員・国民の声を新国会に届けるよう、運動を強めよう。