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2018年度 会員意見実態調査 (2)政治・経済 消費税増税「反対」多数

2018.10.25

 2018年度会員意見実態調査の結果について、今号は政治・経済分野の詳報を掲載する。

消費税「ゼロ税率」求める45%
 来年10月に予定されている消費税の10%への引き上げについては、「反対」が37.2%で、「賛成」30.0%を上回り、前回と賛否が逆転した(図1)。
 「反対」の理由(複数回答可)では、「医療機関の損税が増えるから」54.2%、「景気が悪くなるから」53.5%、「社会保障財源にまわらないから」43.8%となった。「賛成」理由(複数回答可)としては、「社会保障財源を増やすため」71.6%、「国民全体で負担する公平な税制だから」50.9%、「財政赤字を解消するため」47.4%となった。
 社会保障財源を確保するためには消費税増税が必要、といった政府の広報がある程度浸透しているものの、損税負担の大きさや景気悪化への懸念などから、反対意見が増えていると考えられる。
 消費税を「今後どうするべきだと思うか」を聞いたところ、「現状でよい」が31.5%、「税率をもっと引き上げるべき」19.4%、「税率を引き下げるべき」13.2%、「廃止すべき」7.2%の順となり、50%以上の会員が、消費税率引き上げには反対と考えられる。
 医療にかかる消費税をどうすべきかについては、「ゼロ税率」が45.2%と最も多い。「軽減税率」「現状でよい」がそれぞれ18.4%、11.6%で続き、「保険診療を課税にして保険者・患者が負担するべき」が8.3%、「補助金による還付を行うべき」は4.1%と最も少ない。
 同じ設問となった14年調査以来、ゼロ税率を求める意見が常に最も多くなっており、ゼロ税率適用は会員多数の要求であることが分かる。
内閣支持層も医療政策支持せず
 「現在の内閣を支持するか」との設問では、「支持する」34.6%、「支持しない」45.2%と不支持が支持を上回った。第二次安倍内閣発足後の3回の調査結果を比べると、支持率は下がり、不支持率が上がり続けている(図2)。
 「支持しない」理由(複数回答可)では、「医療政策が悪い」が51.4%と半数を超え、「自民党を中心とした政権だから」46.8%、「経済政策が悪い」45.7%、「安全保障政策が悪い」34.9%と続く。
 「支持する」理由(複数回答可)では、「安全保障政策が良い」「自民党を中心とした政権だから」「経済政策が良い」との回答がそれぞれ40.0%、32.8%、31.3%であったが、「医療政策が良い」を選択した回答者はわずか6.7%となっている。診療報酬のマイナス改定、患者負担増など社会保障政策の改悪を続ける安倍政権の医療政策に対する評価は、現内閣支持者内でも低いことが分かる。
 支持政党では、「支持政党なし」が4割と最も多く、以下、自民党32.8%、立憲民主党6.2%、日本共産党3.4%、日本維新の会2.6%となった。内閣支持率は低下したものの、政党支持率では昨年の民進党の分裂などもあり、自民党の支持率が高くなっている。
憲法9条「堅持」が「見直し」上回る
 現行の日本国憲法改正については、「賛成」37.2%、「分からない」28.9%、「反対」23.5%と、賛成が3分の1を超えた。
 戦争の放棄、戦力不保持を定めた憲法9条については、「堅持すべき」42.6%、「見直すべき」40.6%となった。
 15年の集団的自衛権の行使を容認した安全保障関連法の成立などにより、16年調査では「堅持」が52.6%と増加していたが、北朝鮮や中国の「脅威」を理由に安全保障上の環境変化から改憲が必要だとの認識により、「見直し」が増えたと考えられる。
 協会は、命と健康を守る医師・歯科医師の立場から、安全保障関連法の問題点や9条改憲の危険性について知らせていく。

図1 政府が検討している消費税の10%への引き上げについて
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図2 現在の内閣を支持しますか 
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