兵庫県保険医協会

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圏域ごとに医療提供体制の整備を 県の保健医療計画に対し意見提出

2019.02.05

 兵庫県は「兵庫県保健医療計画(圏域版)案」(以下、計画案)を公表し、パブリックコメントを実施。協会は意見を送付した。

 今回の計画案の特徴は、各圏域等における、患者の流出入を前提として、圏域等を越えた医療機関の連携を推進するという点である。これに対し、協会は患者の流出が起こるのは、当該圏域等に地域の医療ニーズを満たす医療提供体制がないためであると指摘し、圏域内での医療提供体制の整備を進めるべきだと要請した。具体的には、県立柏原病院と柏原赤十字病院の統合による新病院整備後も、心臓血管外科や脳神経外科専門医の不足で、虚血性心疾患のカテーテル治療や脳出血に対するクリッピング治療ができないとされている丹波医療圏でそうした専門科を整備すること、阪神北準圏域での救命救急センターの整備、北播磨圏域、西播磨地域で地域母子周産期医療センターの整備を行うよう求めた。
 計画案のもう一つの特徴は、数多くの病院統合計画が盛り込まれたことである。三田市民病院については「2次医療圏域に限定しない再編統合」と記述された。さらに、市立伊丹病院と近畿中央病院、市立川西病院と民間病院、県立西宮病院と西宮市立中央病院の統合も盛り込まれた。これに対し協会は、地域の医療関係者はもとより、地域の住民、患者の意見を聞き慎重に行うべきだとの意見を提出した。
 とりわけ、三田市民病院の統合については、地域住民からさまざまな意見が出されているだけでなく、明確な反対運動や署名運動も起こっていることを指摘し、早期に統合先の病院や新病院の立地候補、時期等について情報開示を行った上で、住民の意見を聞き、計画中止も含めて慎重な対応を行うよう求めた。
 その他、各圏域に共通する施策として計画案に盛り込まれた、急性期病床等の回復期病床への転換について、医療ニーズを十分に把握した上で行うことや在宅医療の充実のために、在宅医療に取り組む医療機関を診療報酬上で積極的評価するよう国に要請すること、医療従事者の確保のために国に対して医師養成数の拡大等を要請するよう求めた。 
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