政策宣伝広報委員会だより
2020年度診療報酬プラス改定求める会員FAX署名 「診療報酬引き上げを」切実な声
2019.11.05
2020年度予算編成に向け、政府で次期改定について議論が進んでいる。安倍政権は、社会保障費が国家財政を圧迫しているとの理由から予算削減の方針を掲げ、湿布薬や花粉症薬の保険外し、75歳以上の高齢者の窓口負担の2割への倍化などの患者負担増に加えて、診療報酬のマイナス改定を画策している。一部メディアでは、すでに政府がマイナス改定を検討していると報じている。
しかし、度重なる診療報酬マイナス改定によって、医療機関の経営が悪化した結果、スタッフの待遇改善もできず、署名でも「満足なスタッフ体制が取れない。理想的な感染管理やリスク管理に回せる経費が足りない」「クリニックの収入は年々減少傾向が止まりません。職員の待遇改善のため、プラス改定が必要」などの厳しい声が現場から寄せられている。病院では、不採算部門である、救急医療や夜間・時間外診療、産科・小児科の縮小、さらには分娩停止などの医療崩壊が起こっている。過去のマイナス改定分を取り戻すためにも10%の引き上げは開業保険医の当然の要求である。
また患者負担増により検査拒否や治療中断などの受診抑制も起こっている。窓口負担の軽減は診療報酬引き上げとセットで要求しなければならない。
来年度予算が固まるまでに残された時間はあとわずかである。協会では今月中に、国会議員に直接署名を手渡し、会員の声を伝える要請行動を予定している。それまでに一人でも多くの会員の声を集めて提出することが、安倍政権による医療破壊に対抗する何よりも大きな力となる。まだ署名をされていない方は、今号に同封している署名用紙にご署名の上、FAX078-393-1802へ返信をお願いしたい。
一言紹介
「収入減少こたえる」「地域医療が崩壊」
署名では診療報酬引き上げと患者窓口負担軽減を求める声が続々と寄せられた。会員の声を紹介する。・収入の実質的減少はこたえます(須磨区)
・81歳の内科医ですが、フルタイムで働かないと食べていけません(芦屋市)
・多くの病院が医業利益の低下によって「働き方改革」など着手できない状況です。基本診療料と技術料の引き上げで病院が正常に機能できるようにしてください(明石市・病院)
・年々実収入が減っています。引き上げは当然です(神崎郡)
・診療報酬は医療関連で働く人の人件費の源泉です。実質賃金が上昇するように当たり前の判断を(中央区)
・同一日に同じ病院の複数の科に紹介状を書いても診療情報提供料を一回しか算定できないのは不合理である(灘区)
・医療保険、介護保険料および介護サービス自己負担のため、1割の窓口負担さえ支払い困難な高齢者が増えている現状は看過できません(灘区)
・F35やイージスアショアを買うのはやめてそのお金を医療に回してください。その方がよほど有意義だと思います(明石市)
・診療報酬が実質的に減ればまじめにやっているところほど収入が減り、人は待遇の良いところ、都会や時給がよいところに流れていきます。時給に安いクリニックは従業員も疲れて離れていきます。地域医療は崩壊していきます。決して医師個人のわがままではございません(北区)
・パラジウム合金の高騰への対応が不十分。代替金属など早急な対応を希望する(姫路市・歯科)
・技術が進歩しても採算が全く合わない。この情けない歯科事情の改善を(垂水区・歯科)