政策宣伝広報委員会だより
ラジオ関西「医療知ろう!」リスナーからの質問への回答
2021.03.08
ラジオ関西「医療知ろう!」コーナーでは、リスナーからいただいた質問にできるだけ番組内でお答えしています。お答えできなかった質問のなかで皮膚科関連のものについて、皮膚科の医師から回答いただきましたので、ご紹介します。
質問1 私はウォーキングやランニングなどをして体が温まると体内からチクチクと感じることがあります。皮膚の表面には変化がないのですが、かゆみを感じます。これもアレルギーの一種なのでしょうか? 何か対処法があれば教えてください。(神戸市西区 男性)
回答:体が温まると体内からチクチクと感じることがあるとのことですが、コリン性蕁麻疹という病気があります。発汗をつかさどる「アセチルコリン」という神経伝達物質が関与して起こる蕁麻疹で、風呂上りや運動後など、汗をかくと症状が現れます。3~5mm大の小さな膨疹(ぼうしん:皮膚の盛り上がり)がたくさんできますが、通常、数分後~2時間以内に消えてしまいます。かゆみの他に、ピリピリした痛みを伴うので、症状がひどい場合や、何度も繰り返す場合は日常生活に支障をきたすことがあります。軽度のコリン性蕁麻疹のほとんどは、特に治療をしなくてもだんだんと身体が慣れて自然に治ります。症状が繰り返し現れる、あるいは、発症時の痛みや不快感によって日常生活に支障があるときは、皮膚科を受診しましょう。抗ヒスタミン薬などの内服治療薬で症状をコントロールします。
質問2 寒くなると手足の指にしもやけが毎シーズン。 なんかいい予防策はないものかとジタバタ。 今からでも間に合う対策をアドバイスお願いします。(神戸市須磨区 男性)
回答:手袋や厚い靴下で保温につとめるのが一番です。きつめのものは、かえって血のめぐりを悪くします。また、手足をぬれたままにせず、ぬれた手袋や靴下はすぐ取り替えるのも大切です。顔の場合は、寒い風に直接あたらないようにすることです。特に、スキー場で注意する必要があります。
質問3 26歳の息子がアトピー性皮膚炎の治療のため、長年皮膚科に通院しています。季節の変わり目に湿疹、痒みが強く、飲み薬・塗り薬を処方してもらっています。新聞でアトピー性皮膚炎の新薬が出来たと読みました。新薬は従来の薬とどう違うのでしょうか? お願いすれば処方してもらえるのでしょうか?(神戸市北区 女性)
回答:新薬にコレクチム軟膏というのが2020年に処方が可能になった外用薬で、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬で、細胞内の免疫活性化シグナル伝達に重要な役割を果たすJAKの働きを阻害し、免疫反応の過剰な活性化を抑制することでアトピー性皮膚炎を改善する、世界初の非ステロイド性の外用 JAK 阻害薬です。この機序はこれまでのアトピー性皮膚炎の外用剤『ステロイド』『プロトピック』などとは異なる機序で全く新しいお薬となります。安全で使いやすいこともわかってきていますので、皮膚科の医療機関で処方はしていただけると思います。
※詳しくは近隣の専門クリニックやかかりつけ医にご相談ください。