政策宣伝広報委員会だより
引き続き県民医療の充実に全力を尽くそう
2021.08.10
協会は7月18日に投開票された兵庫県知事選挙において、憲法が輝く兵庫県政をつくる会の金田峰生候補を推薦した。金田候補は18万票余を獲得したものの及ばず、齋藤元彦候補が新知事に当選した。協会はこの結果を受け、7月28日の政策・運動・広報委員会で以下の見解を表明した。
2021年7月28日
声明
引き続き県民医療の充実に全力を尽くそう
兵庫県保険医協会
政策・運動・広報委員会
兵庫県保険医協会は、「憲法どおりの兵庫県政」の実現をめざし活動する団体「憲法が輝く兵庫県政をつくる会」(以下、憲法県政の会)に参加している。今回2021年兵庫県知事選挙にあたり、憲法県政の会はさまざまな団体・市民との共同の無所属候補として、元県会議員の金田峰生氏の擁立を決めた。これを受けて、協会は、知事選挙方針案を第1133回理事会で決議し、「2021年知事選挙にあたっての開業保険医要求(案)」を全面的に支持し、その実現を図るとする金田峰生氏と政策協定を結び、支持推薦を行った。ただし、これまでの選挙同様、協会は会員個人の思想信条の自由を保障する立場から、直接的な選挙支援活動については、協会政策担当役員らや兵庫県民主医療機関連合会役員らが呼びかけて組織した有志の会「憲法が輝く兵庫県政をつくる医師・歯科医師の会」で行った。
今回の知事選挙は、井戸知事退任により新人5人が争う選挙となった。結果、自民党と維新の会が推薦する齋藤元彦氏が85万票余を獲得し、勝利したものの、得票率は46.9%で半数を下回った。次点の元副知事の金澤和夫氏は60万票(得票率32.8%)の得票にとどまった。金田峰生氏は、18万4,811票(得票率10.1%)を獲得したものの、及ばなかった。
今回の選挙は本来、新型コロナ禍から県民の命と健康、暮らしをいかに守る県政をつくるのかが争点となるべきであった。しかし、実際の選挙戦は、自民党の内部分裂・主導権争いにより、政策的な違いのない齋藤氏と金澤氏の争いとなったことで、真の争点が広く県民に浸透しなかった。こうした中、「刷新」を演出した齋藤氏がこれまでの井戸県政から変化を求めた県民の投票を得た結果となった。
金田氏は、選挙戦の中で齋藤氏と金澤氏の「一騎打ち」が自民党内部の主導権争いであることや両候補が共に井戸県政を高く評価しており政策的な違いがないこと等を指摘し、選挙の構図を分かりやすく県民に広げる努力を行った。何より両候補が新型コロナ対策としてこれまで井戸県政の病床や保健所の削減路線を継承しようとしていることなどを明らかにし、県民に真の県政転換を訴えた。結果、齋藤氏と金澤氏の「一騎打ち」をマスコミも煽る中で、18万4,811票(得票率10.1%)を得、前回憲法県政の会が擁立した津川知久氏の得票から3万5000票あまりを上乗せし、得票率も2ポイント上昇させた。また、今回の知事選の投票行動には注目すべき点も見られる。たとえば、「維新政治に反対の立場から金澤氏を支持する」「井戸県政を転換するため齋藤氏を支持する」など県民の間のさまざまな模索は、大きくとらえれば政治変革の要求があることを示している。
協会としてはこれまで福祉医療制度の拡充、地域医療構想の見直し、新型コロナ対策の充実など要求運動の最大の結節点として兵庫県知事選挙を位置づけ、取り組みを進めた。そうした中、医師・歯科医師の会で取り組んだアピールには、192人が賛同するとともに、募金額も前回を大幅に上回った。さらに、協会の呼びかけに応じて多くの協会や保団連役員から協力が得られたことは、今後につながる重要な成果である。協会は引き続き県による県民の命と健康を守るために、住民本位の県政実現に向け奮闘する決意である。
以上