政策宣伝広報委員会だより
新型コロナ「第7波」会員アンケート結果 発熱外来のひっ迫明らかに 各マスコミで報道
2022.08.25
新型コロナウイルス感染症の「第7波」と言われる感染拡大を受けて、協会が実施した「新型コロナウイルスの感染拡大に対する第8回アンケート調査」では、発熱外来のひっ迫と多くの医療機関が新型コロナ疑い患者を診察している実態が明らかとなった。結果が各マスコミで大きく取り上げられている。協会は結果をもとに、国や行政に、医療提供体制を支える財政措置の拡充などを求めていく。
<結果の詳細はこちらから>
協会は8月10日にマスコミ向けの報告会を実施し、8月22日までにサンテレビと神戸新聞、しんぶん赤旗が結果を報道した。
サンテレビは8月12日、アンケート結果について、「発熱外来や検査機関の指定を受けている病院や診療所のうち、7割以上が時間外の診察を行っている」と紹介し、8割近くが「これ以上、コロナ患者の受け入れを増やせない」と回答していると報じた。そして、「西山理事長は、医療現場は疲弊しているとして、行政に対し検査態勢の充実を求めている」と紹介した。
神戸新聞も8月11日の紙面で結果とともに、西山理事長の(医療関係者は)「患者の不安にも丁寧に応対している。だが、『濃厚接触になった場合、仕事や学校には行けるのか』といった医療外の相談もあり、現場は疲弊している」とのコメントを紹介。
しんぶん赤旗も8月12日、新型コロナ疑い患者を受け入れている医療機関の多くがこれ以上受け入れられないとしていることを報じた上で、「受け入れ人数を増やせない理由として、必要な診療・待機場所の不足、医師・看護師など医療従事者の不足、抗原定性検査キット・個人防護具の不足などをあげました」と報じた。
協会は、今回のアンケート結果をもとに引き続き、国や行政に対し、感染防護具、検査キットの安定的供給や診療時の煩雑な実務の簡素化、平時より余力のある人員、病床、物品を準備し、医療提供体制を支える財政措置の拡充を求めていく。
詳報 新型コロナ感染拡大に対する第8回アンケート調査
新型コロナウイルス感染症の感染急拡大で、県内の発熱外来がひっ迫している。こうした状況のもと、協会は、県内の医療機関の実態を把握し、必要な対応を行政に反映させるため「新型コロナウイルスの感染拡大に対する第8回アンケート調査」を実施した。結果の詳細を掲載する。
全医療機関のうち、13.0%の医療機関が発熱等診療・検査医療機関の申請を行っていないものの、コロナ疑い患者を診療していることが分かった。
標榜科別にみると「指定を受けている」「指定を受けていないが、コロナ(疑い)患者を診察している」と回答した医療機関の割合が多い順に、「小児科」(97.3%)、「病院」(87.5%)、「耳鼻咽喉科」(81.8%)、「内科」(81.0%)とつづいた(図1)。
設定を超えた対応時間は「指定を受けている」医療機関で一週間当たり平均5.6時間、「指定を受けていないが、コロナ(疑い)患者を診察している」医療機関では同1.8時間だった。
「1日当たり」に断った受診希望患者数は、「指定を受けている」医療機関で平均11.1人、「指定を受けていないが、コロナ(疑い)患者を診察している」医療機関では、平均3.4人だった。
「これ以上のコロナ(疑い)患者を受け入れることができますか」との質問には、コロナ疑い患者診療の医療機関のうち、77.7%が「できない」と回答した(図4)。
その理由について複数回答で聞いたところ、「必要な診療・待機場所の不足」が最も多く、「医療従事者(医師・看護師・医療事務員等)の不足」、「抗原定性キットの不足」と続いた(図5)。
コロナ(疑い)患者を診察していない医療機関に自由記入形式で「コロナ(疑い)患者の診療にあたって問題点や困難なこと」を聞いたところ、「一般患者さんとの導線分離が困難」、「老人施設のテナントとして開業しているため、コロナ(疑い)患者の診療を控えている」、「ショッピングモール内にあるので十分な隔離対策が困難」などの施設上の困難の他、診療科の問題として「眼科であり、全身疾患は対応できない」「専門が皮膚科なので」との声が聞かれた。
「賛成」と回答した医療機関にその理由を聞いたところ、「現状のコロナウイルスはインフルエンザよりやや致死率が高いが、それほど恐れる感染症ではなくなっている」「大多数の医療機関で受け入れ可能になる」「もう事実上、2類扱いされていない」との理由が挙げられた。また5類相当としても患者の負担軽減のために公費扱いを継続するべきとの声が多数あった。
同様に「反対」の理由については「インフルエンザよりも重症化する危険性が高い」「インフルエンザに対するタミフル等のような有効な薬がまだない」「公費負担がなくなると受診控えが起こって、感染をさらに広げる恐れがある」などの意見が寄せられた。
協会はこのアンケート結果をもとに、国や行政に対し、短期的には、地域外来・検査センターや相談センターの増強等を、中長期的には、平時より余力のある人員、病床、物品を準備し、医療提供体制を支える財政措置を拡充することを引き続き求めていく。
国の財政措置が必要
サンテレビは8月12日、アンケート結果について、「発熱外来や検査機関の指定を受けている病院や診療所のうち、7割以上が時間外の診察を行っている」と紹介し、8割近くが「これ以上、コロナ患者の受け入れを増やせない」と回答していると報じた。そして、「西山理事長は、医療現場は疲弊しているとして、行政に対し検査態勢の充実を求めている」と紹介した。
神戸新聞も8月11日の紙面で結果とともに、西山理事長の(医療関係者は)「患者の不安にも丁寧に応対している。だが、『濃厚接触になった場合、仕事や学校には行けるのか』といった医療外の相談もあり、現場は疲弊している」とのコメントを紹介。
しんぶん赤旗も8月12日、新型コロナ疑い患者を受け入れている医療機関の多くがこれ以上受け入れられないとしていることを報じた上で、「受け入れ人数を増やせない理由として、必要な診療・待機場所の不足、医師・看護師など医療従事者の不足、抗原定性検査キット・個人防護具の不足などをあげました」と報じた。
協会は、今回のアンケート結果をもとに引き続き、国や行政に対し、感染防護具、検査キットの安定的供給や診療時の煩雑な実務の簡素化、平時より余力のある人員、病床、物品を準備し、医療提供体制を支える財政措置の拡充を求めていく。
詳報 新型コロナ感染拡大に対する第8回アンケート調査
医療現場の声聞き体制充実を
新型コロナウイルス感染症の感染急拡大で、県内の発熱外来がひっ迫している。こうした状況のもと、協会は、県内の医療機関の実態を把握し、必要な対応を行政に反映させるため「新型コロナウイルスの感染拡大に対する第8回アンケート調査」を実施した。結果の詳細を掲載する。 医科診療所の6割超新型コロナ対応
回答のあった医科医療機関のうち、コロナ疑い患者を診療している医療機関は65.9%(「発熱等診療・検査医療機関の指定を受けている」52.9%、「指定を受けていないが、コロナ(疑い)患者を診察している」13.0%)であった。全医療機関のうち、13.0%の医療機関が発熱等診療・検査医療機関の申請を行っていないものの、コロナ疑い患者を診療していることが分かった。
標榜科別にみると「指定を受けている」「指定を受けていないが、コロナ(疑い)患者を診察している」と回答した医療機関の割合が多い順に、「小児科」(97.3%)、「病院」(87.5%)、「耳鼻咽喉科」(81.8%)、「内科」(81.0%)とつづいた(図1)。
多くの医療機関が設定時間超えて対応
「指定を受けている」医療機関のうち72.2%、「指定を受けていないが、コロナ(疑い)患者を診察している」医療機関では50.0%が、発熱外来として設定した時間を超えて患者対応を行っていた(図2)。設定を超えた対応時間は「指定を受けている」医療機関で一週間当たり平均5.6時間、「指定を受けていないが、コロナ(疑い)患者を診察している」医療機関では同1.8時間だった。
これ以上の受け入れ「できない」8割
「やむを得ずお断りした受診希望患者はいますか」との質問には、コロナ疑い患者診療の医療機関(「指定を受けている」「指定を受けていないが、コロナ(疑い)患者を診察している」と回答した医療機関)のうち、78.0%が「いる」と回答した(図3)。「1日当たり」に断った受診希望患者数は、「指定を受けている」医療機関で平均11.1人、「指定を受けていないが、コロナ(疑い)患者を診察している」医療機関では、平均3.4人だった。
「これ以上のコロナ(疑い)患者を受け入れることができますか」との質問には、コロナ疑い患者診療の医療機関のうち、77.7%が「できない」と回答した(図4)。
その理由について複数回答で聞いたところ、「必要な診療・待機場所の不足」が最も多く、「医療従事者(医師・看護師・医療事務員等)の不足」、「抗原定性キットの不足」と続いた(図5)。
一般診療の制限に悩む医療機関
「コロナ(疑い)患者を診察するにあたっての問題点や困難なこと」を複数回答で聞いたところ、「一般患者の診療抑制や制限」が最も多く、「問診、診療・検査、療養指導、結果通知」、「HERSYS等による行政への報告」、「補助金や診療報酬上の加算の低さ」と続いた(図6)。コロナ(疑い)患者を診察していない医療機関に自由記入形式で「コロナ(疑い)患者の診療にあたって問題点や困難なこと」を聞いたところ、「一般患者さんとの導線分離が困難」、「老人施設のテナントとして開業しているため、コロナ(疑い)患者の診療を控えている」、「ショッピングモール内にあるので十分な隔離対策が困難」などの施設上の困難の他、診療科の問題として「眼科であり、全身疾患は対応できない」「専門が皮膚科なので」との声が聞かれた。
感染症法上の位置づけ柔軟化を
「感染症法上の扱いを『2類』相当から、インフルエンザ並みの『5類』に変える案」について聞いたところ、「賛成」との回答が48.7%で「反対」(27.5%)を上回った(図7)。「賛成」と回答した医療機関にその理由を聞いたところ、「現状のコロナウイルスはインフルエンザよりやや致死率が高いが、それほど恐れる感染症ではなくなっている」「大多数の医療機関で受け入れ可能になる」「もう事実上、2類扱いされていない」との理由が挙げられた。また5類相当としても患者の負担軽減のために公費扱いを継続するべきとの声が多数あった。
同様に「反対」の理由については「インフルエンザよりも重症化する危険性が高い」「インフルエンザに対するタミフル等のような有効な薬がまだない」「公費負担がなくなると受診控えが起こって、感染をさらに広げる恐れがある」などの意見が寄せられた。
医療提供体制の充実を
最後に行政等への要望を自由記入形式で聞いたところ、「地方では検査キット、試薬がすぐに品薄になる。補充量も遅いうえに乏しい」「検査キットがなく患者に検査ができないと伝えると暴言や罵声を浴びせられる」「行政への報告に時間がかかる、内容・指示が細かすぎ、朝令暮改」「加算補助が少なすぎる」「第7波は予測できたのに、少なくとも医療従事者へのワクチン接種を後回しにしたのは無策だったのでは」「今の医療崩壊は医療者の人員不足が一番の原因だ」「疲れ果てました」などの切実な声が寄せられた。協会はこのアンケート結果をもとに、国や行政に対し、短期的には、地域外来・検査センターや相談センターの増強等を、中長期的には、平時より余力のある人員、病床、物品を準備し、医療提供体制を支える財政措置を拡充することを引き続き求めていく。