兵庫県保険医協会

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主張 オンライン資格確認義務化と保険証廃止
撤回求める運動を強めよう

2022.11.25

 政府はマイナンバーカードを健康保険証代わりに利用可能にするために必要な「オンライン資格確認システム」の、医療機関への導入の義務化と健康保険証の廃止を強引に進めてきており、医療現場に困惑の声が広がっている。
 政府は今年6月に閣議決定した「骨太の方針2022」でオンライン資格確認義務化と保険証廃止を明記、9月5日には療養担当規則を改定し、2023年4月までに同システムの導入がなされなければ「保険医療機関指定の取り消し事由になりうる」と脅しをかけてきている。
 10月1日付の診療報酬改定では電子的保健医療情報活用加算の廃止と、医療情報・システム基盤整備体制充実加算の新設がなされ、マイナンバーカードより、保険証で受診した場合の方が高点数になる仕組みとなった。保険証での受診に対するペナルティとも取れる改定である。
 さらに、10月13日には、河野デジタル相が「2024年度秋に現在の健康保険証の廃止を目指す」と、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替える方針を表明した。従来「任意」とされてきたカード取得を事実上強制する考えに「あまりにも拙速、乱暴だ」(10月15日朝日新聞社説)などと、各方面から批判の声が上がっている。一大臣の見解発表だけで、このような重要な施策が進められ、まともな国会審議がないのは、民主主義の危機である。
 一連の施策がマイナンバーカード推進策として出されていることは明白である。政府はマイナンバーカードが来年3月末までに全国民に行き渡ることを目指しており、2万円分のマイナポイント付与などで取得を誘導してきたが、いまだに交付率は5割程度にとどまっている。
 同カードは、プライバシー侵害の危険性、情報流出や悪用、紛失時のトラブルなど、さまざまな問題点が指摘されている。こうした声に向き合わず拙速・強権的に進めても、決して患者・国民の理解は得られないだろう。
 保団連や協会がおこなったアンケート調査でも、オンライン資格確認義務化や保険証廃止には7割以上の会員が反対をしている。同アンケートには「必要性を感じない」「義務化はダメ」「悪用が心配」などと、様々な意見が寄せられている。
 厚労省は、今年末の導入状況を見て、必要な対応を検討するとしている。
 私たちはオンライン資格確認義務化撤回の声明や会員署名に取り組んできたが、医療現場や国民の不安の声に答えるためにも、さらに反対の声を大きくしていこう。
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