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統一地方選挙にあたって 兵庫県政に対する開業保険医の重点要求(案)2023年3月 兵庫県保険医協会

2023.03.25

 4月の統一地方選挙にあたって、兵庫県政に対する開業保険医の要求(案)を掲載する。本要求(案)は会員からの要求を受け、随時充実させていくこととしており、追加修正のご意見を協会までお寄せいただきたい。

1、感染状況や重症化状況を踏まえて、国の方針にかかわらず下記の新型コロナウイルス感染症対策を県として一定期間継続すること
(1)病床確保を行うため財政措置等を行うこと。
(2)発熱外来への財政措置等を行うこと。
(3)入院調整機能を公的に担うこと。
(4)介護施設や介護事業者、歯科技工所への財政措置等を行うこと。
(5)ワクチン接種への助成を行うこと。
(6)検査や治療への助成を行うこと。
2、来るべき新興感染症に備えて公衆衛生行政を充実させること
(1)感染症病床やパンデミック時に感染症病床として使用できる病床を民間医療機関も含めて確保すること。
(2)パンデミック時に外来医療を担うことのできる医療機関を増やすため、一般診療所も含めて医療機関の導線分離や感染対策に財政的な措置をとること。
(3)保健所の数を増やすとともに勤務するスタッフを増員すること。
(4)地方衛生研究所の体制を充実すること。
3、福祉医療制度を拡充すること
(1)こどもの医療費助成を拡充し、高校3年生まで所得制限なく入院、外来ともに医療費窓口負担を無料にすること。
(2)高齢者向けの医療費助成制度を再度整備すること。
(3)入院時食事療養費及び入院時生活療養費の助成を創設すること。
(4)病名や受診する診療科による制限のない「妊産婦医療費助成制度」を創設・拡充すること。
(5)薬局での薬剤費負担を医療機関での負担額と合算すること。
(6)難病指定患者に対して国の認定基準によって「軽症」と判断されても、助成対象とする独自の福祉医療制度を創設すること。
(7)高齢難聴者の補聴器購入等補助制度を恒久化すること。
(8)市・町が支給する特別障害者手当の認定について、障害者手帳をもって医師意見書の提出を省略するよう市・町に求めること。
4、国民健康保険、予防接種、介護施策を拡充すること
(1)国民健康保険に対して、一般会計からの繰入れを増やし、国保料(税)を協会けんぽの保険料程度まで引き下げられるよう納付金を引き下げること。
(2)市町が、国民健康保険法44条の一部負担金減免と77条の保険料減免の適用を拡大するよう支援すること。
(3)予防接種事業は原則無料とし、全員が平等に受けられるようにすること。
(4)介護保険制度の保険料・利用料について独自の減免制度をもうけること。
(5)介護保険から移行された介護予防・日常生活支援総合事業を支援すること。
5、開業保険医が十分な診療をできるようにすること
(1)保険診療に関する監督責任のある県として、次のことに留意すること。審査・指導は「行政手続法」の趣旨にもとづき行わせること。主治医の裁量権を尊重し、医学・医療内容を無視した経済審査や強権的指導・監査を是正すること。事務職員による医療内容の点検関与、レセプト点検の民間委託はやめさせること。
(2)医療廃棄物処理について公費助成を行うこと。
(3)医療・介護スタッフの不足を解消するために人件費補助などの施策を実施すること。
(4)成人歯科検診や妊産婦歯科検診、口腔がん検診など、歯科における予防制度を確立し、県内全自治体に歯科検診・予防活動のセンターとなる口腔衛生センターを設立すること。
(5)治療が必要とされた矯正治療については保険収載されるべきであり保険の拡充が実施されるまでの間、県独自に助成を行うこと。
(6)歯科技工士と歯科衛生士の就業と働く環境を後押しする財政措置を行うこと。
(7)県内に歯科技工士養成学校を再度整備すること。
(8)国に対して医療機関の事業税非課税措置を堅持するよう求めること。
(9)生活保護指定医療機関への個別指導について、診療報酬の返還ありきの指導を行わないこと。政令指定市や中核市にも同様の要請を行うこと。
(10)医療機関における医療券医療要否意見書の返送等、生活保護制度の事務処理費用について公費で賄うこと。
(11)指定難病の診断書料発行に対する、自治体の公費助成制度を創設すること。
(12)小児科を持つ民間病院への支援を強化するとともに、国に対し小児科医の養成数拡大と診療報酬上の適正評価を求めること。
(13)物価高騰に対する医療機関への財政措置を拡充すること。
6、県内の医療提供体制を充実させること
(1)三田市民病院と済生会兵庫県病院の「2次医療圏域に限定しない再編統合」について、情報公開を積極的に行い、地域の医療関係者はもとより、住民、患者の意見を尊重すること。
(2)各2次医療圏域・準圏域内で完結的な医療提供体制の整備を進めること。
・丹波圏域に救命救急センターと地域周産期母子医療センターを整備すること。
・淡路圏域に緩和ケア病棟を整備すること。
(3)地域医療の最後の砦として政策医療を提供する県立病院に対し、過度な採算性を求めて独立行政法人化やPFI事業化せず、繰り入れを増やし、その運営を支えること。
(4)地域医療構想について、高度急性期病床の整備を行うとともに、急性期病床と慢性期病床の回復期病床への転換は、地域の医療ニーズを丁寧に調査・分析し、精緻に進めること。
(5)県立病院における医師の長時間労働短縮のための取組の推進、未払い手当の精査と支給を行うこと。
(6)神戸医療産業都市について、神戸市立医療センター中央市民病院や県立こども病院など公的医療資源が先端医療の開発・推進に投じられることによる、地域への医療提供の軽視がないようにすること。
7、住民の暮らしに根ざした震災復興を進めること
(1)借り上げ復興公営住宅から被災者を追い出さないこと。
(2)災害援護資金の保証人、少額償還者に対する返済免除措置と債権放棄を行うよう市町に要請すること。各種震災関連融資の返済条件を緩和すること。
(3)東日本大震災や熊本地震などの災害被災者に対し、公的支援を抜本的に強めること。
(4)阪神・淡路大震災被災者の暮らし再建・救済のために被災者生活再建支援法に準じた特例措置を講ずるよう国に要求すること。
(5)被災者生活再建支援法の支援限度額500万円への引き上げ、半壊・一部損壊世帯・住宅店舗への適用拡大、災害規模による適用条件の廃止を国に求めること。
(6)東京電力福島第一原発事故に伴う賠償を打ち切らないように東京電力と国に要求すること。
(7)民間医療機関の耐震診断、耐震補強に助成すること。
8、不必要な公共事業をやめること
(1)無駄な公共事業への支出を抜本的に見直すこと。
9、県民のくらしと健康、平和、民主主義を守ること
(1)非核自治体宣言を行うこと。
(2)非核「神戸方式」を全国に広げるように努力すること。
(3)原発ゼロをめざし原発の再稼動を認めず、自然エネルギー推進のための政策を行うこと。大気汚染、CO2排出量増加を起こす神鋼石炭火力発電所の稼働に反対すること。
(4)震災に関連するアスベスト被害の実態調査や、追跡調査としての検診体制を確立すること。
10、国にむかって要求すること
(1)医療費窓口負担の軽減を要求すること。
(2)受診時定額負担、市販類似薬の保険外し、介護保険サービス利用料の原則2割化、ケアプラン作成の有料化、要介護1・2の生活援助サービスの地域支援事業への移行など、患者・介護サービス利用者負担増計画に反対すること。
(3)医師の長時間労働を解消するため、医師数を先進国並みに抜本的に増員することと、医療機関が勤務医に充分な待遇を提供できるよう、診療報酬を大幅に引き上げるよう求めること。
(4)インボイス制度に反対するとともに、社会保険診療にかかる消費税を課税・ゼロ税率とし、医療機関の控除対象外消費税負担を解消し、消費税を減税すること。
(5)現行の健康保険証の廃止方針は撤回すること。医療機関に対するオンライン資格確認の導入義務化を撤回すること。
以上
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