兵庫県保険医協会

来年度の診療報酬改定を前に、協会が県内の医師・歯科医師に協力を呼びかけている、「診療報酬の大幅引き上げを求める」医師・歯科医師署名が目標の2000筆を超え2018筆となった。この署名は「基本診療料を中心に、診療報酬を大幅に引き上げること」「国民の健康を守るため、患者窓口負担を軽減すること」の2点を求めるもの。
　多くの医療機関では、長らく続く政府の低医療費政策に加え、コロナ禍以降も求められる感染対策経費増、円安やエネルギー・原材料費の高騰に端を発する物価高騰で、経営が悪化している。
　このような実態に関わらず、財務省は、コロナ診療の努力を「コロナ補助金等による（医療機関の）内部留保の積み上がり」であると問題視し、「秋の建議」で診療所の診療報酬を5.5％引き下げるべきと提言するなど、医療現場の努力、物価高騰による苦境を無視し、大幅マイナスの方向性を示していた。
　これに対し、診療所・病院の垣根を越えて、県内各地の医師・歯科医師から次々と署名が寄せられ、協会はこの署名を、国会議員・内閣総理大臣・厚労省・財務省へ寄せられた一言とともに提出、診療報酬の大幅引き上げ実現を強く求めてきた。
　大臣折衝の結果、2024年度の改定率は、本体0.88％プラス、薬価は1％程度引き下げで、全体改定率はマイナスとなった。
　医療現場の改善には全く不十分であるものの、過去10年間では最も高い本体改定率である。協会は引き続き、改善と不合理是正を求めて運動を続けていく。