政策宣伝広報委員会だより
九条の会・兵庫県医師の会 パレスチナ・ガザ侵攻 命守る独自の外交政策を 三牧聖子同志社大学准教授が講演
2024.02.25
三牧先生はアメリカ国内の世論について、世界関与のあり方として、これまでのような外国に駐留軍を置くなどの軍事的な関与ではなく、人道支援などが望ましいという回答が最多になっていることを紹介。
特に「Z世代」と呼ばれる若者層では、環境問題やマイノリティの人権問題に関心が高く、昨年10月以降のイスラエルによるパレスチナ・ガザ地区侵攻を「完全に正当化できる」と答えたのが、65歳以上の81%に対して、18~34歳はわずか27%と、弾圧され続けるパレスチナへの人道的支援を支持する傾向があると解説した。
一方で、それらの声は政策に反映されておらず、Z世代の中で、イスラエルを支持するバイデン大統領への不満が急激に高まっており、今年の大統領選挙を控えたバイデン大統領の動向が注目されるとした。
また、ロシアのウクライナ侵攻を非難しながら、イスラエルに対しガザ地区侵攻は支援するという、アメリカの「二重基準」は国際的にも批判されているとし、さらに国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員がイスラエルへの攻撃に加担した疑惑があるとして、アメリカが資金拠出を停止したことを批判。日本政府もこれに反対するどころか追随して資金拠出を停止しており、パレスチナに住む人々の命や健康を危険にさらす最悪な外交政策であると厳しく指摘した。
講演後、三牧先生は参加者からの質問に答え、「アメリカがイスラエル寄りの政策をとり続けているのは、従来から言われているような、アメリカにいるいわゆるユダヤロビーの力ではない。むしろアメリカのユダヤ人はリベラルが多く、民主党支持者が多い。そうではなく、アメリカのイスラエル寄りの政策は、人口の4分の1を占めるいわゆる福音派の政治姿勢によるところが大きい」「日本の憲法前文は全世界の人々が平和のうちに生存する権利があると謳っており、日本政府は今すぐ停戦するよう各国へ呼びかけるべきだ」などと解説した。
九条の会 アピールに賛同を
九条の会・兵庫県医師の会は、「9条を持つ日本政府の責務は、国際社会の分断を修復し、アジアの紛争を武力によらないで解決する枠組みを作るために各国に働きかけること」などとして、日本国憲法を守り、平和外交を実現することなどを呼びかけるアピールへの賛同を呼びかけている。賛同は、電話078-393-1807、arimoto@doc-net.or.jpまで