兵庫県保険医協会

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兵庫県知事選挙にあたっての方針 支部・歯科部会討議を経ておおさわ氏を推薦
2024年県知事選挙への対応

2024.10.25

 協会理事会は9月14日の理事会で、兵庫県知事選挙(10月31日告示・11月17日投開票)に向けて、今次選挙をこれまで掲げてきた要求を実現するための重要な機会として、位置づけるなどとする方針案・重点要求案(10月5日号掲載)を承認した。この方針案は、福祉医療制度の縮小を進めるなど、県民のいのちと健康を守る立場とはほど遠い斎藤県政の問題点を指摘、県政の転換をめざして県知事選挙憲法が輝く兵庫県政をつくる会候補者を支持推薦するもの。全支部・専門部の討議を要請し、要求への意見と方針案への賛意が寄せられ、10月12日理事会で大澤芳清氏と政策協定を結び、推薦を行った(前号既報)。方針案の全文を掲載する。
はじめに
 県には、県立病院の運営をはじめ、地域医療構想や地域医療計画の策定、福祉医療費助成制度の整備、保健所や地方衛生研究所の運営など、県民に提供する医療の在り方や新興感染症対策を左右する権限がある。さらに、物価高や不況、産業構造の急激な変化から県民の命とくらしを守る役割も持つ。また経済政策や医療、社会保障政策は勿論、外交、防衛など国政に対して、県民の意思を代表するという県知事の役割も重要性を増している。
 こうしたことから、私たちは今次知事選挙を、県政における医療・社会保障に関係する課題はもとより、国政における課題も含めて、これまで私たちが掲げてきた要求を実現するための重要な機会として位置づけるものである。

1、経過(これまでの知事選挙への協会のかかわり)
 協会は、民主的討論を経た上で、首長選挙については、「開業保険医の重点要求(案)」を受け入れ、これを実現する無党派の候補者を推薦し、選挙母体に参加して必要な活動を行うことはあり得るとの立場をとってきた。同時に、この場合においても個々の会員の思想・信条・政治活動の自由を保障する立場から、実際の活動は協会とは別に自主的な会を有志で組織し、行ってきた。
 前回2021年知事選挙では、協会理事会は基本方針案、知事選挙に当たっての要求案を作成し、歯科部会及び全支部に討議を呼びかけた。歯科部会と県内各支部が方針案について討議、了承したもとで、理事会は方針案を承認し、「憲法が輝く兵庫県政をつくる会」(以下、憲法県政の会)が擁立した金田峰生元兵庫県議(憲法県政の会代表幹事)を、候補者として推薦した。
 36団体が加盟する憲法県政の会は、日常的に県政の課題に取り組み、時々の県政に関する課題とその解決の方向性を明らかにした書籍『ウィーラブ兵庫』の発行や、シンポジウム、県政学習会などに取り組んできた。協会は、憲法県政の会に加盟し、武村副理事長が代表幹事を務めている。こうした関係の中で協会は、憲法県政の会がさらに多くの県民や県内のさまざまな団体の共同の場として発展するよう尽力してきた。

2、斎藤県政をどうみるか
 2021年知事選挙では、それまでの井戸知事の退任により金沢和夫氏や斎藤元彦氏、金田峰生氏ら新人同士が争うものとなった。井戸県政で副知事をつとめた金沢和夫氏は井戸県政の「継承」を掲げたが、県政「刷新」を掲げた斎藤元彦現知事に敗れた。しかし、現斎藤元彦知事が掲げた、県政「刷新」は、国言いなりに病院、保健所、学校の統廃合を推し進めるとともに、老朽化した県庁舎を解体し、職員の出勤を4割に減らすことや、県の様々な事業に指定管理者制度やPFIを積極的に導入するなど、県の役割を縮小したり、県が担っていた役割を民間に売り渡す、極めて新自由主義的な改革である。一方で、井戸県政の下で計画、推進されてきた播磨臨海地域道路に代表される大型公共事業は、全く見直されていない。
 また、西播磨県民局長による「斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について」と題する文書告発に始まる県政の混乱は、知事が事実調査の前に公開の場で告発者を「嘘八百」「公務員失格」と決めつけるなど、対応の不適切さから、兵庫県政は告発者の自死という最悪の事態をふくむ前代未聞の混乱に陥っている。斎藤知事は、この期に及んでなお「県政を前に進めるのが私の責任」と述べているが、質問にまじめに答えることさえしない記者会見での姿からは、「県政を前に進める」姿勢を感じることはできない。
 私たちは、こうした斎藤県政に対する分析から、この県政をこのまま続けるのではなく、住民の生命と健康を守る県政に転換することの重要性を痛感するものである。

3、保険医の要求案を実現させよう
 我々は、県民医療の改善等、別記(9月5日号掲載)の要求の実現を求めるものである。

4、支持推薦と開業医の要求実現について
 今回、憲法県政の会が候補者として擁立した大澤芳清氏は、現役の医師であり協会の理事、兵庫県民主医療機関連合会会長、尼崎医療生協病院院長を務めてきた。医療政策や社会保障政策について十分な見識を持っていることは勿論、「国民医療の充実」を掲げる協会執行部の一員として活動の先頭に立ってきた。また、臨床現場の第一線で活躍してきており、地域の患者からの信頼も厚い。さらに、病院長、医療生協法人の理事長として、政府の医療費抑制政策による厳しい経営環境の中、職員に心理的安全性を保障し、病院、法人の発展に経営手腕を発揮してきた。大澤芳清氏は、無所属での立候補を表明しており、一党一派に偏せず、広範な県民の支持を得る条件があると判断できる。歯科部会、各支部で民主的な討議を尽くし、協会の要求をもとに政策協定を結んだうえで、理事会として、支持推薦を行うこととしたい。ただし、直接的な選挙支援の活動は、これまでの県知事選挙同様、有志の会で行うこととする。

5、会員への情報提供
 協会の要求案や候補者の政策など、会員への情報提供につとめる。
以上
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