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「医療崩壊を防ぐための医師増員を求める署名」推進・特別シンポジウム 医師を増やして医療守ろう!

2024.11.05

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日本の国民皆保険制度の素晴らしさと地域医療の充実の重要性を訴えた邉見先生

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シンポジウムで意見を交わす(上左から)邉見先生、西山先生、(下左から)藤末先生、半田先生

 協会は10月26日、県民主医療機関連合会(民医連)と共催で、特別シンポジウム「医師を増やして 医療を守ろう!」を協会会議室で実施し、医師・歯科医師、医療関係者ら35人(会場21人、Zoom14人)が参加した。「医師・医学生署名をすすめる会」が呼びかける「医療崩壊を防ぐための医師増員を求める署名」を推進しようと開催したもの。基調講演として、赤穂市民病院名誉院長の邉見公雄先生が医師不足・地域偏在の現状について語り、パネリストや会場が活発に意見を交わした。

 冒頭に主催者を代表して、大澤芳清・県民主医療機関連合会会長が「県の研修医定員も削減されるなど、日本政府は医療費・医師数抑制ばかりだが、今日はどうすれば医師が増やせるのか、皆さんと考える機会としたい」とあいさつした。
 邉見公雄先生は基調講演で、日本の国民皆保険制度は世界文化遺産にするべきすばらしい制度であるとし、いざというときに備えて、余裕ある医療・介護体制、医師の養成が必要と強調。今の政府の医師の偏在対策では、地域消滅による解決にしかならないとして、医師を地域医療に従事させる一定の規制も含めた対策の重要性を訴えた。
 西山裕康協会理事長は、総数は徐々に増加しているものの、日本の人口当たり医師数はOECD38カ国中29位で不足していると強調。国の医師の需給推計では2030年前後に需給は均衡するとされているが、これは医師が長時間労働しつづけること、さらに現時点で医療が必要な人が全員受診しているという前提に立っていると批判。
 日本の医療は医師が「安い時給」と「長時間労働」により献身的に支える構造が長く続いているが、いつでもどこでも誰でも、安全・安心、有効で質の高い医療を提供するためには、「医師の増員」と「診療報酬増加」を、医師が一丸となって力強く要求しなければならないとした。
 藤末衛・特定医療法人神戸健康共和会理事長は、2000年代に医師定数が増えたことの大きな要因に、医師が中心となった大きな運動があったと説明。
 韓国で尹政権の医師増員政策に対し、医師が反対しストライキが起きているが、これは皆保険制度が充実しておらず医療がビジネス化しているもとでの政策だからだと分析し、医師増員の運動の鍵は、国民皆保険制度のもとで住民から信頼される医師の存在であると強調した。
 コーディネーターを務めた半田伸夫理事は「東京一極集中ではなく、地域の病院・教育の充実が地域の創生につながってくる。医師増員は日本のセーフティネットの根本を守ることになる。そのためには医療機関経営を成り立たせるために医療費を上げて、医師を増やさないといけない」とまとめた。
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