歯科部会だより
歯科定例研究会・舌診と漢方 『東洋医学が身近に』
2010.09.25
歯科部会は8月1日に協会会議室で、歯科定例研究会「歯科臨床における舌診と漢方」を開催。九州歯科大学摂食機能リハビリテーション学分野教授の柿木保明先生を講師に70人が参加した。参加者の感想文を掲載する。
私は今回二回目の研修になり、舌診と漢方がいっそう理解できるようになり、身近なものとなった。
学年が5年間のフランス、国試がないベルギーの歯科界も激しい変遷ぶりが垣間見えるような気がする。
歯科臨床においても、西洋医学ではどうしても行き詰まる。われわれ歯科医が口腔内を診るだけでなく、東洋医学の必要性を感じ、全身に目を向けなければならない。“体内を知りたければ体外を診療する。体外を知りたければ体内によって知る”と、中国医学の教えがある。一例として、舌の表裏を望診する。それは、患者さんとの信頼関係の絆をさらに強固に築き上げると思われる。
漢方は未病を治す(未病とは健康と病気の間)まさに人間をグローバルに捉えている最良の治療方法と痛感する。
われわれ臨床医は次の漢方、①葛根湯②五苓散③半夏瀉心湯④十全大補湯の効能を熟知してゆけばよいと思う。
ただ、保険導入をいかにするか、ちょっと難しいところがあるが、患者さんとの関係では間違いなしと思われる。
以下に効能を示す。
①葛根湯―歯周病
②五苓散―歯痕、胖大舌
③半夏瀉心湯―平滑舌
④十全大補湯―地図状舌
他にもいろいろありますが、柿木先生著『舌診のすすめ』をぜひご一読ください。おすすめです。
【芦屋市・歯科 加藤 茂芳】