歯科部会だより
歯科部会5月定例研究会「メタルフリー修復の現状と将来の展望-メタルフリー修復を成功に導くためのポイント-」感想文
2011.06.25
歯科部会は5月29日に協会会議室で、歯科定例研究会「メタルフリー修復の現状と将来の展望―メタルフリー修復を成功に導くためのポイント」を開催。東京医科歯科大学大学院教授の三浦宏之先生を講師に52人が参加した。参加者の感想文を掲載する。
季節外れの台風2号が接近する中、東京から講師の三浦教授をお招きし、歯科定例研究会が無事開催された。
常日頃悩まされる、審美領域での歯冠修復物装着歯の露出歯根変色の問題、防ぎ難い歯根破折の問題、そして、最近のジルコニアを使用したオールセラミック修復について、講演会や著書で有名な三浦教授が来神され講演なされるとあって、予定を繰り合わせ、研究会に臨んだ。
講演は、金属アレルギーの知見、歯根破折を予防するための金属支台築造設計、ファイバーポストとコアレジンなどの支台材料、ハイブリッド型硬質レジン修復材料の物性比較、口腔内に露出しても問題のない最新ジルコニア使用オールセラミック修復臨床のポイントなど、幅広いテーマにわたった。
生物学的、歯科理工学的な根拠に基付いた臨床知見と充実した講演会資料をご提供いただき、講演時間3時間と制約された中、休憩なしの大変満腹すぎるノンストップ講演会だった。
休憩を挟みながら、もう少しゆっくりと、1日かけてでも聞きたい内容だった。
講演の中で、2次カリエスで根管内を大きく歯質崩壊した歯牙に対する支台築造法、ファイバーポスト+レジンコアの接着技法、そして、完成歯冠修復物を少ない咬合調整で装着するための、生物学的現象を考慮した、取り扱いの難しい咬合印象法の有用性など、個人的には目からうろこで、今日から臨床実用できるトピックスだった。
日本の歯科界をリードしてくれる、三浦先生の学識の深さとエネルギッシュさに改めて敬意を表し、今後も学術顧問として、医学的根拠に基づく新しい知見等を定期的にご提供、ご指導いただきたく、よろしくお願いいたします。
【中央区・歯科H M】