歯科部会だより
保険でより良い歯科医療めざし、請願署名にご協力を
2011.07.15
“社会保障としての歯科医療”再建へ
歯科部会長 田村 忠之
強まる受診抑制
昨年の歯科診療報酬の改定は、公称2・09%の引き上げとはいえ、多くの歯科医療機関ではプラス改定の実感がなく、歯科医療機関の経営はいっそう厳しい状態が続いています。
小泉構造改革から10年が経ち、度重なる医療改悪と経済格差の拡大の影響で受診抑制が強まり、「歯の健康格差」「歯科医療格差」の拡大が危惧されます。
保団連が昨年実施した「歯科医療に関する市民アンケート」でも、約4割の市民が歯科の「治療を放置」していると回答しています。その後の東日本大震災の影響も、受診抑制に拍車をかけていることが予想されます。
50万筆目標に国会請願署名
深刻化する歯科医療の危機を打開し、保険でより良い歯科医療の実現をめざす全国的な運動として、全国で50万筆を目標に「お金の心配がない『保険で良い歯科医療』の実現を求める」国会請願署名に取り組むことになりました。
16年前の阪神・淡路大震災での教訓として、被災者の口腔ケアの重要性が言われ、東日本大震災でも、歯科医療従事者の支援活動が重要な役割を果たしています。高齢被災者への口腔ケアが、誤嚥性肺炎の予防に効果があると指摘されているためです。
国民皆保険制度50周年の今、被災地をはじめ全国民の生活再建のために、社会保障としての歯科医療の再建がいっそう求められています。
請願事項は「安心して歯科医療が受けられるよう、窓口負担を大幅に軽減してください」「健康保険で歯科治療が受けられるよう、保険のきく範囲を広げてください」の2項目です。署名は全歯科会員に発送しております(医科会員は秋に発送予定)。
署名運動の推進とあわせて、10月9日には、協会も参加する「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会主催の幕内秀夫氏講演会「食生活と歯の健康~歯科医院は予防医療の最前線~」を開催いたします。
ご参加、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。