歯科部会だより
歯科部会7月定例研究会「『予防力』を強化するプロケアの新コンセプト」感想文
2011.09.08
歯科部会は7月24日、定例研究会「『予防力』を強化するプロケアの新コンセプト」を開催。東京都港区・高輪歯科院長の加藤正治先生を講師に、会員・スタッフら95人が参加した。参加者の感想を紹介する。
「患者を追い込まないセルフケア」。この言葉に衝撃を受けた。今まで患者のやる気やブラッシングテクニックを上げることが、歯科衛生士の腕の見せどころであり、口腔内環境を整える近道だと思っていた。しかし、これは患者次第であるし、ましてや高齢者や手指の不自由な人に高いブラッシング技術を求めるのは難しい。
それがドラッグリテーナーにリナメルをプラスして除菌効果を活用すると、ブラシの届かない部位にも、楽に歯肉の改善が期待できる、ブラッシング指導で患者を追い込まないセルフケアを提供できるとのことだ。
次に、プロケアとは回を重ねるごとに予防力を向上させることを目指すという考え方について。
私は今まで現状維持が中心で、例えばステインの場合なら、ブラッシングや食事指導、または来院間隔を短くして対応していた。
しかし、ADゲルで歯面を傷つけず化学的清掃し、リナメルとポスカで併用することで、来院するたびにステインがつきにくくなり、その上、歯質は強化され、回を重ねるたびに予防力が向上するとのことである。
具体的にホームケア用品を、個別に薬のように処方する方法も興味深い。
やはり、患者も術者も、楽に効果が出る方法に出会えた方が幸せである。ケアに必要な金額や予防に対する考え方も、患者さんとよく話し合いながら押し付けにならぬよう行わねばならないが、一人ひとりに合った、薬でより良い方法を提供できたらと思った。
【北区・井尻歯科クリニック 歯科衛生士 小曽根直枝】