歯科部会だより
歯科 集団的個別指導は廃止を
2012.11.05
歯科 集団的個別指導は廃止を
協会は、近畿厚生局兵庫事務所に行政文書開示請求を行い、今年度の個別指導等の実施計画等の情報を入手した。
協会が廃止を要求している高点数理由での集団的個別指導は、今年も11月8日に神戸、11月15日に姫路の県下2会場で、講習・講演形式の集団指導として実施される。時間帯は午後2時から3時30分までの90分間。3週間前にしか実施通知が届かないため、都合がつかない場合は、厚生局兵庫事務所へ連絡の上で変更できる。
今年度の兵庫県の歯科平均点数は1306点とされている。集団的個別指導は、この平均点数の1.2倍である基準値1568点を超える943件から、レセプト枚数が月10件未満の医療機関と過去2年間で指導を受けた医療機関を除外した対象候補を割り出し、上位8%分の238件(平均点数3800点~1704点)が選定されている。
今年度はこれに加え24件が予備選定されていることがわかった。選定された先生で自院の平均点数を知りたい場合は、厚生局兵庫事務所に電話照会いただきたい。
「指導大綱」では、集団的個別指導を受けた翌年度も引き続き高点数だった場合、上位4%が個別指導の選定対象となっている。2012(平成24)年度の個別指導対象件数算出表では、119件が高点数理由、3件が患者や保険者等からの情報提供、22件が前年度の再指導等という内訳になっている。
しかし、2011(平成23)年度の個別指導実施件数は26件。月2~3件ペースで再指導と情報提供分を優先して実施されており、高点数のみの理由での個別指導はほとんど実施されていないのが現状である。
そもそも、指導の目的を、「療養担当規則等のさらなる理解と保険診療の質的向上および適正化を図ること」とするならば、「高点数」理由での選定でなく、すべての保険医療機関を対象とした教育目的の講習会を開催するなど、指導の仕組みそのものを改善すべきである。医療費抑制を目的とした指導は、必要かつ正当な診療を躊躇させ萎縮診療を招く恐れがあるだけでなく、治療を受ける患者国民にとっても不利益をもたらすものである。
協会・保団連は、11月に厚労省指導監査室への要請行動を予定しており、改善要求を提示していく。