薬科部だより
薬科部研究会「歯周病治療に薬って必要?~日々の疑問スッキリ!」
2009.09.19
歯周病の知識身についた
協会薬科部は、9月19日に協会会議室で研究会「歯周病治療に薬って必要?~日々の疑問スッキリ!」を開催した。歯科分野をテーマとした初めての研究会で、川西歯科クリニック院長の川西敏雄先生を講師とし、薬剤師ら72人が参加した。参加者の感想文を紹介する。
研修会では、まず歯の仕組みを分かりやすく解説して下さいました。
(1)歯で噛むことで強い力が1本1本の歯に加わっている。これを支えている「骨」。骨が支えている上に歯茎がある。
(2)「骨」の重要性
歯茎の病気の原因は歯垢。歯垢(=プラーク)による炎症因子の刺激で骨が減ってくることによって起こる。まず歯茎が炎症を起こして(歯肉炎)重症化すると、骨が溶けてくることにより歯周病となる。骨が溶けることで、生じる歯周ポケット。ここにまたプラークが発生してくる。どんどん骨が溶けてくる。歯周病にかかったら、病気の進行を止めなければいけない。どうすればよいか?
(3)自分で行う「プラークコントロール」の重要性
歯垢をとる=毎日自分でプラークコントロールを行う。歯肉の筋肉の構造は「表面側・付着歯肉、下層・粘膜歯肉」となっており、表面側の歯肉は圧をかけてゴシゴシ磨いても、さほど痛みは感じない。しかし表面を確実に傷つけている。間違った歯磨き法、歯ブラシの選択から、知らずと歯茎を傷つけていることが多い。歯を磨くのではなく、歯垢をとるという表現を用いるべきこと。なるほどと納得した。歯茎の病気を予防、治療するためのやわらかい歯ブラシを用い「バス法」で毎日プラークコントロールする(特に夜時間をかけて)。
(4)人生80年
最近言われている、「よく噛むことの効用」(痴呆予防、唾液分泌促進、味覚の更新、脳梗塞、心筋梗塞予防等)の恩恵を受けるにも、土台の骨がしっかりして正常な歯茎の上に歯があることが第一条件。自分でプラークコントロールを行う重要性は、人生80年、快適な生涯を迎えるために最も重要なこと。
歯周病という言葉とその意味は漠然と理解しているつもりでした。虫歯予防の為ゴシゴシと毎食後の歯磨きをすることを習慣にしていました。
今回の研修会を終えて、大間違いの事を長年行っていたことが分かり、驚きの限りでした。正しい、歯周病の知識を得ることができ非常に有意義な、どんどん引き込まれていく楽しい講義でした。川西先生深くお礼申し上げます。
【調剤薬局薬剤師 小林】