薬科部だより
薬科部研究会「シェーグレン症候群と口腔乾燥症」感想文
2010.02.27
シェーグレン症候群を学ぶ
協会薬科部は、2月27日に研究会を開催し、110人が参加した。司会者の感想文を紹介する。
2月27日、農業会館にて宝塚市立病院診療部長の柳澤高道先生に「シェーグレン症候群と口腔乾燥症」という演題でご講演をしていただきました。
「口腔乾燥(ドライマウス)とは」から始まり唾液の役割、ドライマウスの症状、要因説明の後、シェーグレン症候群について詳しく教えていただきました。
シェーグレン症候群は自己免疫疾患の一つで、唾液や涙腺などの外分泌線を自己のリンパ球が攻撃することにより生ずる疾患です。男女比は1対14で女性に多く、好発年齢は40~60歳代で、関節リウマチ患者の19・4%がシェーグレン症候群を合併している(2000年リウマチ白書)そうです。
ドライマウスに対する治療薬剤を、臨床での経験に基づいてお話していただきました。ドライマウスの全身的要因には、シェーグレン症候群の他に、ホルモン・代謝系の異常、体液・電解質異常、放射線被爆による障害、加齢、そして薬剤があります。薬剤性ドライマウスは、ドライマウスで悩む人の約半数といわれているそうです。原因となる主な薬剤(向精神薬・降圧剤・抗コリン剤など)を提示され、対応法は薬剤の変更・減量・中止でした。
ご講演は薬科部を考慮された内容で、参加されていた医師・歯科医師の先生からも講演後のアンケートで「よくわかりました」との声を多くいただけた有意義なものでした。
【北区・薬剤師 松枝 静紀】