薬科部だより
第13回漢方研究会「薬剤師の漢方トレーニング 患者との問診対話と舌診でここまでわかる漢方病態」感想文
2010.06.15
舌は体内の「ものさし」
薬科部会は5月29日、命門堂漢方薬局の前田康男先生を講師に、第13回漢方研究会「薬剤師の漢方トレーニング 患者との問診対話と舌診でここまでわかる漢方病態」を開催、72人が参加した。感想文を紹介する。
テレビ朝日放映中の「臨場」見てますか?という命門堂漢方薬局の前田先生の問いかけで始まった研究会。内野聖陽演じる倉石検視官が物語の中で「死者の人生を根こそぎ拾う」という言葉と共に使う「五感を働かせる」を、病んだ患者さんの前で発揮することが大切だと説明されました。
確かに患者さんとの対話はドアを入って来られた時、その歩き方、姿勢をみることからはじまり、声を聞き体臭や口臭をかぎ、アンケート記入時爪や顔色を見て、可能なら舌を見せてもらうことができます。薬局では「舌」についての資料を置いたりすると、興味を持つ患者さんからうまく見せてもらえるとのアドバイスもいただきました。漢方に限らず、患者さんの状態を把握することは大切で、五感を感じる力を養いたいと思います。
もう一つのテーマ「舌診」。舌は粘膜に覆われ血管が集中しているので体内の変化を敏感に反映する「ものさし」となるということ。舌の色、形、大きさ、動き、舌苔の量や色で体の状態や病気がわかるという例を多くのスライドを用意し、見せていただきました。
食べ物との関係も説明され、すぐ患者さんとの会話に使えるものを学べました。共催の小太郎漢方製薬から提供された医食同源のパンフレットも活用することで具体的な説明ができそうです。
2時間ではとてもうかがいきれない内容でした。まだまだ多くのスライドをお持ちとのことですので、次回の9月18日の研究会を楽しみにしたいと思います。
【伊丹市・薬剤師 長光 由紀】