薬科部だより
薬科部11月研究会「後発医薬品の選択基準と適正使用」のご案内
2011.11.06
後発医薬品の選択基準と適正使用
日 時 11月26日(土) 午後4時~6時
会 場 兵庫県農業会館11階111号 (JR・阪神「元町駅」南へ徒歩7分)
講 師 近畿大学薬学部 教授 松山 賢治 先生
参加費 無料
ジェネリックをうまく使いこなすにはジェネリック薬の特性を製剤含量まで含めて良く理解することが重要です。バイオベイラビリティーという概念が初めて現れたのはオーストラリアで、フェニトイン錠剤が在庫切れで、賦形薬が異なる(乳糖)同じ含量の錠剤を代替調剤した結果、患者が中毒を起したことに遡ります。これは水に溶けにくいフェニトインの賦形薬が硫酸カルシウムから乳糖に変わった結果、水の濡れが良くなり、消化液への溶解度が高まり、吸収率が上がったことに起因します。しかも、フェニトインは非線形キネティックの薬物動態を示すことも加わって、ある吸収量を過ぎると急に血中濃度が高くなる薬物であるという二重の意味で、錠剤間の製剤の差が出やすい薬物だったからです。
ジェネリックの選択基準として、①徐放性製剤は製剤自体に特許があり、ジェネリックとは似て非なるものである、②エステル構造を有する薬物は、ジェネリックでは加水分解されやすい、③生薬由来の製剤はジェネリックと微妙に異なる、④分解されやすい薬物の安定化剤は、ブランド独自のものがあり、その特許は切れていない。以上を勘案しながら適性使用を行いたいものです (松山 記)
※お申し込み・お問合せは、保険医協会事務局まで TEL 078-393-1803