薬科部だより
薬科部12月研究会「分子標的製剤の薬理と適正使用」のご案内
2013.12.07
分子標的製剤の薬理と適正使用
日 時 12月7日(土)午後4時~6時
会 場 兵庫県保険医協会会議室 (JR・阪神「元町駅」南へ徒歩7分)
神戸市中央区海岸通1-2-31神戸フコク生命海岸通ビル5F
講 師 近畿大学薬学部 教授 松山 賢治 先生
参加費 1,000円 (保険医協会会員は無料)
副作用を少なくして癌を完治させたいというのは私達の夢ですが、少なくとも慢性骨髄性白血病(CML)において分子標的製剤のイマチニブ(グリベック)の登場で、その夢がある程度現実化しているようです。CMLはインターフェロン療法、骨髄移植療法などが効果的療法でしたが、グリベックの登場で投与している間は5年生存率も抜群に高くなりました。但し薬価が月に60万円もするということで、その医療経済学的な使用は私達薬学研究者に託されています。少なくともトランスポーターの変異型であるABCG2421*A/*A(Poor metabolizer; Homo type)では投与量を1/3に低減しないと、かえって副作用の出現すら見られます。的確な投与量の減量はコストを1/3以下に下げますから将来は遺伝子型の診断と投与量修正が薬剤師の大きな仕事となるでしょう。
ところで、分子標的製剤は、そのstemが---tinibと付く低分子製剤〔(イマチニブ(グリベック)、ゲフィチニブ(イレッサ)、アキシチニブ(インライタ)、スニチニブ(スーテント)、ソラフェニブ(ネクサバール))とstemが---mab(monoclonal antibody)と付く高分子製剤〔(トラスツズマブ(ハーセプチン)、リツキシマブ(リツキサン)、ベヴァシズマブ(アバスチン))等に大別されます。特に前者の低分子の分子標的製剤は内服投与でありますので、外来がん化学療法で調剤薬局から調剤されるようになるでしょう。また、在宅がん化学療法などが始まったらその副作用の出現などを注意深く観察し、少しでも間質性肺炎や手足症候群の症状、さらに胸水貯留などの症状が見えたら大事にいたらないうちにドクターに連絡して処方の変更をしてもらうなど、その管理は薬剤師のテリトリーに含まれます。
今回は、分子標的製剤とは何か、留意すべき注意点、その薬理メカニズムはについて現在学校での講義内容から抜粋してお話いたします。(松山 記)
※研究会終了後、午後6時30分から「薬科部忘年会」を開催します(会場;ニューミュンヘン神戸元町店/会費5,000円・要予約)。併せてぜひご参加ください。お申込みの先生には詳しい地図をお送りします。
※お申し込み・お問い合わせは事務局 黒木・山田までTEL078-393-1803 E-mail: yamada-t@doc-net.or.jp