薬科部だより
薬科部12月研究会「癌と支持療法について~副作用対策、鎮痛から心のケアまで~」のご案内
2014.12.06
癌と支持療法について
~副作用対策、鎮痛から心のケアまで~
日 時 12月6日(土)午後4時~6時
会 場 兵庫県保険医協会第1・2会議室
〒650-0024 神戸市中央区海岸通1-2-31神戸フコク生命海岸通ビル5F
講 師 近畿大学薬学部 教授 松山 賢治 先生
参加費 1,000円 (会員は無料)
「はじめに」 日本人における死亡原因で、癌死はここ数年トップです。支持療法とは、一般に抗癌剤投与による副作用を緩和し、痛みを緩和する療法を指します。抗癌剤は癌細胞というセルサイクルの早い細胞にダメージを与えます。正常細胞でも骨髄細胞、口腔粘膜細、毛母細胞、腸管上皮細胞は例外的にセルサイクルが早いので、抗癌剤の副作用はこれらの細胞に集中して起こり、白血球減少(感染症)、口腔粘膜びらん、脱毛、下痢などが予定調和的に惹起します。医療従事者は、この予め解った副作用を患者さんに解り易く説明しておくことで、かなりの心のケアができます。このリスクコミュニケーションによるアドヒアランスの向上から話を進めます。
「緩和療法」 緩和療法のキードラッグが何と言ってもモルヒネなどの強オピオイドです。医療従事者を含めモルヒネの精神依存については大きな偏見が存在します。腹側被蓋野から側坐核に投射するドパミン神経は別名快感神経とも言われ、依存性に強く関連しています。しかし、癌や心筋梗塞などの痛みがある場合、痛みでダイノルフィン神経が賦活され、正常の人ならば、モルヒネの投与で上記神経からドパミンが出て、薬物依存となりますが、ダイノルフィン神経が賦活されると、このドパミン神経からドパミンは出ません。従って、痛みのある人にモルヒネを投与しても、薬物依存が来ないといわれています。ここではモルヒネを始めとする鎮痛剤の適正な使用についてお話します。
※研究会終了後、午後6時30分から「薬科部忘年会」を開催します。併せてぜひご参加ください(要事前申込み)。会場;ニューミュンヘン倶楽部 神戸大使館/会費5,400円(お申込みの先生には詳しい地図をお送りします)。
※お申し込み・お問い合わせは事務局 楠・山田までTEL078-393-1803 E-mail: yamada-t@doc-net.or.jp