薬科部だより
薬科部3月研究会「蕁麻疹の発症因子と治療方法」のご案内
2015.03.14
蕁麻疹の発症因子と治療方法
日 時 2015年3月14日(土)午後4時30分~6時30分
会 場 兵庫県保険医協会 第1・2会議室(JR・阪神「元町駅」南へ徒歩7分)
神戸市中央区海岸通1-2-31 神戸フコク生命海岸通ビル5階
講 師 西宮市・はらだ皮膚科クリニック院長 原田 晋 先生
参加費 500円(協会会員は無料)
蕁麻疹とは、真皮ないし皮下組織の血管浮腫を本態とする疾患であり、その発症には様々な因子が関与している。
蕁麻疹の治療方法としては、抗ヒスタミン薬の内服が第一選択法である。しかし、ヒスタミン遊離活性の亢進は慢性蕁麻疹の約50%程度にしか認められないとの見解も存在しており、H1抗ヒスタミン薬の内服薬のみでは完全には抑制できない慢性蕁麻疹症例も少なからず存在している。そのような患者にセレスタミン®などステロイド配合剤を処方している症例を多く経験するが、安易なステロイド配合剤による治療は戒めるべきである。H1抗ヒスタミン薬で抑制できない蕁麻疹症例に対して、筆者はH2拮抗薬ないし抗ロイコトリエン薬、またはその両者を併用するとの治療法を推奨している。
しかし、2012年にKaplanは、抗ヒスタミン薬に抵抗する慢性蕁麻疹症例に対してH2拮抗薬と抗ロイコトリエン薬を加えても治療効果は乏しく、最も有効な薬剤はシクロスポリンおよびオマリズマブであるとの見解を発表している。従って、難知性慢性蕁麻疹に対する治療法に関しても、今後のさらなる検証と症例の蓄積が必要であると思われる。【原田 記】
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