薬科部だより
薬科部9月研究会「薬剤師が学ぶ緩和ケアの基礎」のご案内
2016.09.10
薬剤師が学ぶ緩和ケアの基礎
~緩和ケアにおける薬剤師の視点~
日 時 9月10日(土)15時30分~17時
会 場 兵庫県保険医協会 6階会議室(JR・阪神「元町駅」南へ徒歩7分)
講 師 医療法人住友別子病院薬剤部 矢野 琢也 先生
参加費 1,000円(協会会員は無料)
緩和医療とは、病気による辛い症状がある場合にそれを緩和していく医療であり、決して抗がん剤治療が終了して終末期になったから開始する医療ではありません。例えば、抗がん剤治療を行っている最中であっても、がんに起因する様々な症状は出現します。その症状を緩和するために有効な手段があるのであれば、必要性に応じて最大限に駆使することで患者さんを苦痛から開放するのが医療者であると思います。さらには、パクリタキセルやオキサリプラチンによる末梢神経障害や分子標的薬による皮膚障害など、抗がん剤そのものによる症状もがん患者を苦しめる一因となります。
薬剤師は患者個々の状態に応じて適切な薬物療法を提供し、その治療効果や副作用をモニタリングする責務があります。その際には、患者状態を包括的にアセスメントする方法、そしてチームで対応するためのコミュニケーション能力も必要となります。薬剤師の視点としては、薬物動態や相互作用は最低限のことでありますが、目の前の患者にその治療を応用してもよいものかどうか判断するためには、科学的に根拠があるかどうか批判的に論文を吟味したうえで応用できるスキルも必要となります。
薬物療法による効果を判定するには、例えば痛みであれば一般的に用いられるNRSにより主観的な情報により判断しますが、時には検査値や画像などの情報も加味したうえで総合的に判断しなくてはなりません。痛みからは解放されていても、眠気が強くなっていないかなどにも留意する必要があります。
今回は薬剤師が身につけたい緩和ケアにおける知識について、基本から臨床現場での体験を踏まえてお話することができればと考えております。皆様の日常の臨床現場において一助となりますことを願います。【矢野 記】
※お申し込み・お問い合わせは事務局 楠・山田までTEL078-393-1803 E-mail: yamada-t@doc-net.or.jp