兵庫県保険医協会

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税経部より 「事業税非課税は医業公益性の要」

2010.04.25

 現在、医療機関の社会保険診療報酬にかかる事業税は、特別措置により非課税となっている。しかし、政権交代後、民主党の税制調査会においてこの非課税措 置の廃止が俎上(そじょう)に載せられた。
 協会・保団連や医師会などの運動により、「拙速な議論は大きな混乱をもたらす。来年1年程度の集中期間を設け、実質的な討議をさせていただきたい」(小 川総務政務官)として当面先送りとなったが、廃止に向けた動きは予断を許さない。
 そもそも事業税の前身は「営業税」で、本来、資本収益に対する課税という性格をもっている。
 これに対し、医業は営利性が禁じられているばかりか、応召義務があるため正当な理由なく治療を拒否することができず、社会保険診療報酬も公に定められて いるなど、他の事業とは明らかに異なる性質を持っている。
 これは、日々の診療のみならず、救急医療・学校健診など地方自治体のサービスにも主体的に携わり、国民の命と健康を日夜守り続けているという医業の高い 公益性に基づくものである。
 事業税非課税措置の廃止が先送りとなったことについて、マスコミは「開業医の優遇10年度も存続」(朝日新聞11月27日)などと揶揄(やゆ)した。し かし、本措置を廃止し、社会保険診療報酬にも事業税を課すべきとの主張は、社会保険診療を資本収益活動と見て他の一般の事業と同列に取り扱い、医業の持つ 高い公益性を無視するものに他ならない。
 事業税非課税措置の廃止は、保険診療を行うすべての医療機関に大きな影響を及ぼすものだ。一医科個人診療所で年間119万円の増税、また一歯科診療所で 年間37・8万円の増税(医科・歯科全体で1100億円の増税)になるとの試算もある。
 本措置が廃止されれば「医療崩壊」はますます加速していくことになるであろう。事業税非課税措置は、地域医療を守り、医療機関が充実した医療を行うこと で、医業の公益性を発揮していくための税制上の要といえる。
 協会は事業税非課税措置の廃止の動きに強く反対するものであり、今後も本措置の存続を求める声を上げていく。会員の先生方のご協力をよろしくお願いした い。

 

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