兵庫県保険医協会

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税経部より 「税務調査には毅然とした対応を」

2010.09.05

医療機関は「重点業種」

 税務調査の時期となった。税務署では毎年、調査対象の選定を行い、8月から本格的に調査に着手する。医業者は依然として高額所得者とみなされ「重点業種」にあげられている。調査内容は多岐にわたるが、近年は自由診療だけでなく保険診療や必要経費の調査も重視され、調査件数を増やしているようだ。8月に入り、協会会員からも「税務調査の通知が来たが、どう対応したらいいか」などの問い合わせが寄せられている。
 令状のない税務調査は「任意調査」であることを忘れず、いきすぎた調査には毅然とした態度でのぞもう。

通知なし調査は断る

 調査自体は拒否できないが、任意調査では調査日時を変更できる。無予告の場合は調査を断わり、顧問税理士等と相談のうえ日時を改めて指定することが肝要。
 身分証明書の提示を求め、所属や氏名、調査の目的・趣旨・項目なども可能な限り確認したい。

勝手なことはさせない

 今年も大阪国税局管轄内で「引き出しを勝手に開ける」などの調査事例が報告されているが、署員には引き出しや金庫を院長の許可なく開ける権限はなく、また署員が帳簿・書類を持ち帰ると主張しても応じる義務はない。特に電子記録媒体は履歴も調べられる可能性があるため絶対持ち帰らせてはならない。「持ち帰れないと調査が長引くことになる」などと言われることもあるが、あくまで必要な部分のみ印刷または書き写させるようにし、持ち帰りには安易に応じないようにしたい。

カルテ開示には応じない

 近年、調査の趣旨に関係なくカルテの開示ないし持ち帰りを要求する署員がいる。医師には刑法134条等で厳重な「守秘義務」が課せられており、個人情報が記載されているカルテの開示には応じてはならない。一方、診療記録であるカルテに自費診療収入の額など会計記録は記さないことを日頃から徹底しておきたい。

事前の準備もしっかりと

 専従者給与は、従事内容に見合った額でなければ過大と見なされるため、実際の業務内容を明示できるようにしておく必要がある。
 接待交際費は、領収書などに「誰と何のために」使ったのかをメモし、事業上の「必要性」=「経費性」を主張できるようにしておくことが重要である。
 また、公私兼用の自動車、水道光熱費などがあれば経費割合を明確にしておきたい。
 調査の通知があっても慌てず顧問税理士や協会と相談のうえで対応することが大切である。


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