税経部だより
平成25年分確定申告を終えて 協会税務講師団 浦上 立志 税理士
2014.04.15
消費税増税にあたっての影響
昨年からすでに、消費税引き上げ前の駆け込み需要なのか、機器・レセコン、電子カルテ、車、内装などの投資が多かったようです。水をかけるようですが、消費税が8%かかるといっても、3%の引き上げですから、4月以後の反動買い控えで、その程度の値下げはあり得ます。今買えば、得だとの正価販売のセールストークに乗せられた面もあるのではと思います。
また、日本の消費税は、事業者に課すもので、あくまで価格の一部ですから、買い手には関係がないのです。買い物は、必要なときにするのが本来です。投資税額控除として、70万円以上のソフトや120万円以上の機器を購入する場合は、7%税額控除(リースはその支払総額で判定)ができました。この制度も3年間延長されます。
医業収入の特徴
日本は社会保険に加入するサラリーマン主体の国ではなくなったようです。支払基金からの振り込みの比重が年々減少しています。
自営業・無職・非正規労働者が加入する、国保・後期高齢者の層の増加が見られます。これまで、その地域ではまったくなかった生活保護適用や、小児科にはなかった、生活保護の急増が見られます。特に、乳幼児の保護者である若者が、生活保護世帯であることの意味することは、重大だと感じます。(幸か不幸か、予防接種の効果なのか、昨年は、感染症は平成24年より、少なかったようです。)
所得と保険料負担
また、一般的な4人世帯で、おおむね給与収入1000万円以下の場合には、税金よりも社会保険料の方が高くなっています。医師国保は、まだ安い方です。市町村国保保険料の世帯上限は77万円、これに介護保険料は65歳から別枠です。75歳からは、後期高齢者保険料は個人別負担になります。
その他の特徴
一方、株式譲渡益が、久々に多かったです。これまで長らく、上場株式の損失を繰り越してためてきた申告がやっと活きたということになりました。ただ、もうすでに、年明けで損したという場合もあります。
26年分は必ず大黒字になりそうだというのなら、25年分の黒字で源泉徴収された特別口座計算書分は、(申告不要が原則ですから)申告せずに赤字を残しておいて、26年からは、分離課税の税率が倍になりますから、そうした方が得します。
しかし、これは想定通り、アベノミクス礼賛の世評にのって、26年にもうかったらの話です。要するに、投資は、運命を市場に委ねながら、自分の勝負勘を持ち続ける自信家がやることなのです。来年の申告時にどうなっているか、先を心配するような人には向かないのでしょうね。
更正の請求について
数字が何を意味するか、振り返り、申告書を見直してみて、払いすぎに気づけ
ば、一部の特例適用分を除き、更正の請求が5年間可能です。