兵庫県保険医協会

平成26年確定申告を終えて

協会税務講師団 松田 正廣 税理士

　平成26年の特徴しては、消費税の税率が4月1日より5％から8％に増額され、確定申告で納める消費税が単純計算で26年は前年比45％増しとなり、所得税の納税よりも消費税の納税が問題となる個人事業主が続出しました。27年は年間を通して8％となりますので、25年比60５増しとなり、納税時には注意する必要があります。

医業収入

　26年分の個人医院の確定申告では、過去数年診療収入のうちに社保収入が占める割合が減少する一方で下が、26年分は25年分に比べて増加・減少割合が微増減でした。
　昨年同様、予防接種による収入が高額となっているところが多く、保険診療以外の収入が1千万円を超えて消費税の課税事業者となる委員が増えております。
　消費税の納税額の計算方法には、一般の計算方法と保険診療以外の収入が5千万円以下の人を対象とした簡易課税計算方法があり、どちらか有利な方法を選択できます。
　一般の計算方法とは、患者さん等から預かった消費税の年間合計から、業者等に支払った消費税の年間合計を控除したものを納める方式を言います。
　これに対して簡易課税計算方法とは、保険診療以外の収入については、患者さん等から預かった消費税の年間合計の50％を納める方法を言います。
　保険診療収入以外の収入には、診療用の自動車の売却（下取り）収入や、店舗等の賃貸収入も含まれますので注意する必要があります。
　一般課税が有利か、簡易課税が有利かの判断を前年中に決めて、簡易課税を選択するときは税務署に届出を出し忘れないようにする必要があります。

医業経費

　最近の経費の特徴として、減価償却費が初年度から多額に計上することができるようになったため、後年に減価償却費が激減し、入金・出金が変わっていない、預金残高も変化がないのに前年比多額の利益が発生し、納税額が増加しています。これからもこの傾向は続くでしょう。

その他

　確定申告が終わった後で、収入または経費の計上漏れや食控除の誤りがあるときは、修正申告や更正の請求をして、誤りを訂正することになります。