兵庫県保険医協会

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平成28年分 確定申告を終えて

2017.04.15

協会税務講師団 税理士 浦上立志

医療機関の経営

 1月から3月、11月、12月と冬は患者数が多かったようですが、6月から9月の夏場の外来通院は減少したようです。

 また、院内投薬の医療機関では、薬価改定による差益の減少は仕方ないと諦め、収入への影響が大きいようです。

 

ミニバブルか、不動産売買など

 昨年末に株価は最高値となりました。ただ、FX(外国為替証拠金取引)もそうですが、乱高下の結果、一様に利益があったとは言えないようでした。

 銀行は「相続税制が変わったことと先行きのために投資しましょう」と低金利でも貸付先を勧誘していることから、やはり世間の風潮としては売買ともによく動いたようです。しかし、私は売るなら今、買うのは低金利でも高値掴みではないかと思います。

 

社会保険料の高額化・医療費の一部負担増

 医療費控除による還付申告が多いのは、自己負担額が大きくなっているからでしょう。

 70歳以上で住民税課税所得145万円以上の方は、現役並み扱いとなり窓口負担は3割ですので、申告分離となる配当等は、申告するかしないかに慎重な判断が必要になりました。

 また、社会保険料も高額化しています。保険料を払うと受診は控えめになるのも、むべなるかなと思います。

 要介護度によっては、高齢者担当課で障害者相当の認定を得れば、障害者控除を受けることができます。

 介護保険サービスのうち、医療系サービスと併用していれば自己負担分が医療費扱いとなり、医療費控除の対象となる場合があります。特別養護老人ホームなどは1/2が、老健施設は全額が医療費となります。特定施設は基本的に「生活費」という扱いになり控除の対象外ですが、医療と生活の区分が難解です。

 

自己責任体制が進む税務行政

 国税庁サイトの申告書作成ソフトが進化しています。相談会場でも自分でパソコンに入力します。指定された箇所に入力するだけで作成できるよくできたソフトですが、申告書作成の仕組みがわかっていないと入力間違いや二重入力に気がつかないことがあるようです。

 公的年金収入のみで年収400万円以下の方は申告は不要です、と相談会場では応対されます。確かに法的には正しいのですが、それでは申告による還付の機会を失います。

 来年からは、原則として申告書用紙・説明書は、送付されません。繰り返しの修正申告や期限後申告には加算税を割増して、納税者サービスから自己責任体制に移行しつつあると見えます。

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