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平成30年度分 確定申告を終えて

2019.04.15

平成30年度分確定申告を終えて

協会税務講師団 田中 雄司 

 医業所得についてですが、前年に比べて目立った増減がなかったように見受けられました。その中で、保険診療収入5000万円以下かつ総医業収入7000万円以下の場合に適用が受けられる概算経費の特例(租税特別措置法26条)の適用についての有利不利の判定が十分に検討できていない事例がありました。例年、実額計算を行っていたものの、いつの間にか収入金額の変動などにより、特例計算を行った方が有利になっていたというケースもあります。また専従者給与を支給している場合については、専従者給与を支給せずに特例計算を行った方が、本人と配偶者の合計税負担が減少する場合があります。この特例については申告時に適用するかどうかの判断ができますので、次年度以降の申告に向けて、一度、チェックをしてみてはいかがでしょうか。

平成30年分から配偶者控除の改正(平成29年度税制改正)がありました。本人の所得金額が900万超の場合は控除金額が従来よりも少なくなり、1000万超の場合は適用を受けることができなくなりました。このため例年より税負担が増加する結果となった納税者がかなり見受けられました。その一方で、配偶者特別控除の対象となる配偶者の所得金額が拡大されましたが、社会保険料負担(いわゆる130万円の壁)の影響は依然大きく、意図的に配偶者所得を増加させたケースを少なかったようです。

 平成29年分の確定申告でも話題となった仮想通貨取引ですが、平成30年分の申告では、国税庁より申告手続の簡便化が図られ、仮想通貨取引所で年間取引報告書を発行できるようになりましたが、平成30年より前に取得した仮想通貨の取得価額が反映されていなかったり、一部の取引所では年間取引報告書の発行が未対応であったりと、正確に所得を把握するのは容易ではない状況でした。

 その他の事項として、平成29年から実施されているセルフメディケーション税制(健康の保持増進及び疾病の予防として一定の取組を行っている方が、12000円以上の対象医薬品を購入した場合に適用)については、通常の医療費控除との選択適用ということもあり、適用はほとんどなかったようです。また、ふるさと納税はあいかわらずの人気です。還元率を3割までとする法改正もありますが、まだまだ人気は続きそうです。

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