兵庫県保険医協会

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【声明】大飯原発運転差し止め判決を全面的に支持し、関西電力に控訴取り下げを求める

2014.08.01

2014年5月28日


大飯原発運転差し止め判決を全面的に支持し、
関西電力に控訴取り下げを求める


兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹


 福井地裁は5月21日、関西電力・大飯原発3・4号機の運転差し止めを命じる判決を言い渡した。 本判決は、福島第一原発事故の教訓をふまえ、大飯原発について「安全技術及び設備は、確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ちうる脆弱なもの」と指摘し、個人の生命を守り生活を維持するという人格権の侵害の危険性という観点から、原発の「稼働は、憲法上は人格権の中核部分より劣位におかれるべきもの」と述べ、原発再稼働を認めないとした。
 関西電力が主張した、電力供給の安定性やコスト低減については、人の生存に係わる権利と並べ論じるものではないとし、二酸化炭素排出削減に資するため環境面で優れているとする点についても、福島原発事故が最大の公害、環境汚染であるとして、いずれもしりぞけている。
 本判決は、国民のいのちを守るという立場に立って出された良識的な判決であり、司法の英断である。われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、これを全面的に支持し、以下のことを強く求める。


 一、関西電力は司法の判断を尊重し、控訴を直ちに取り下げること。  一、全電力会社は危険な原発の新増設、再稼働を断念すること。  一、政府は原発推進の「エネルギー基本計画」を撤回し、原発ゼロ・循環型社会の実現を目指すこと。