兵庫県保険医協会

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141108米国核実験抗議

2014.11.08

2014年11月8日

貴国の核実験の強行に抗議する

兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹

貴国は今年9月から10月にかけて未臨界核実験を実施した。核兵器の保持と新たな開発につながる核実験を強行したことに強い抗議の意志を表明する。

貴国の国家核安全保障局当局者によると、9月4日と10月3日に、ニューメキシコ州のサンディア国立研究所で「Zマシン」と呼ばれる装置とプルトニウムを用いて核兵器の性能実験が行われた。この実験は、核爆発や核分裂反応を起こさないとはいえ、核爆発時に似た超高温・高圧下でのプルトニウムの挙動について調べるもので、備蓄核兵器の状態を評価する事を目的としており、将来にわたる核兵器の保持につながる実験であることは明らかである。

貴国が未臨界核実験を実施したことは、2010年5月、核不拡散条約再検討会議が合意した「核兵器のない世界の平和と安全を達成する」との合意にも反するもので、被爆者をはじめ核兵器廃絶を切望する世界の多くの人々の期待や願いを裏切るものである。

貴国は、「核兵器のない世界を追求する」といい、他の国には核兵器の放棄を迫りながら、みずからは核実験を継続することは、到底許されるものではない。

 われわれは、世界中の医師たちとともに、核兵器を「人類を滅亡させる兵器」と位置づけ、その全廃を求めてきた。69年前に広島・長崎に投下された原子爆弾が、未曾有の惨禍をもたらし、今なお被爆者に、救いがたい健康被害と苦痛をもたらしている現状を直視すべきである。

 東日本大震災・津波被災とそれによって引き起こされた東京電力福島第一原発の爆発・炉心溶融事故から3年がたった。住み慣れた土地を追われた12万人もの住民はいまだ、いつ帰れるともわからない不安な生活を強いられており、あらためて放射能汚染がもたらす事態の深刻さを全世界に知らしめている。

 今後、爆発を伴わない実験であれ、未臨界核実験であれ、いっさいの核兵器実験・開発計画を即時中止するとともに、核兵器廃絶条約の締結の協議開始などのイニシアティブを発揮することを強く要請するものである。