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【抗議声明】 川内原発の「地元合意」手続き終了に抗議し、再稼働しないよう求める
2014.11.17
2014年11月17日
川内原発の「地元合意」手続き終了に抗議し、
再稼働しないよう求める
兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹
九州電力川内原発1、2号機の再稼働について、10月27日の薩摩川内市長と市議会の同意に続き、11月7日、伊藤祐一郎鹿児島県知事と県議会が同意を表明した。政府・九州電力は「地元の合意」が得られたとして、年明けにも再稼働すると報道されている。
鹿児島県の試算では川内原発から30キロ圏内で、高齢者など要援護者以外の住民の9割が避難するのに最大29時間かかるとされる上、伊藤知事自身が「30キロ圏で要援護者の避難計画を作らないと再稼働できないと言うのなら、全部の原発は事実上動かない」と述べていたように、住民の安全を確保できる避難計画は策定できていない。また、「地元合意」の範囲についても、伊藤知事は、県と薩摩川内市に限っているが、原発30キロ圏内にある姶良市議会は「再稼働に反対し、川内原発の廃炉を求める」意見書を、いちき串木野市と日置市議会は「地元合意」にそれぞれの市を加えるよう求める県知事宛の意見書を可決している。近隣市町の声を無視しての再稼働同意は問題である。
政府は「安全性が確認された原発」を再稼働するとしているが、その根拠となる新規制基準適合の判断を出した原子力規制委員会の田中俊一委員長自身が「安全だとはいわない」と発言したように、川内原発の安全性は保障されていない。特に、周囲に多数のカルデラを抱え、火山リスクが懸念され、日本火山学会原子力問題対応委員会が審査基準を見直すよう指摘している。
われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。安全性確保に疑念があり、減災計画すらまともに立てられない川内原発の再稼働計画の中止を政府・九州電力に強く求める。