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【抗議声明】伊方原発3号機の「審査書」正式決定
2015.07.25
2015年7月25日
伊方原発3号機の「審査書」正式決定に抗議し、
再稼働しないよう求める
兵庫県保険医協会理事長 西山 裕康
原子力規制委員会は7月15日、再稼働に必要な審査を進めている四国電力伊方原発3号機について、再稼働の前提となる新規制基準に「適合している」とする「審査書」を正式決定した。
原子力規制委員会は今年5月に審査書案を取りまとめ、一般公募で寄せられた3500通には、耐震設計で目安となる「基準地震動」の想定が甘い、放射性物質が拡散する中、住民を被ばくせずに避難させる実効性のある安全な避難計画が策定されていない、重大事故発生時には内海である瀬戸内海が長期に高濃度に汚染されるなど、安全性に対する多数の疑念が寄せられたが、すべて退けての合格となった。
四国電力は今後、工事計画の認可や地元同意手続きなどを経て、冬にも再稼働する見通しを立てている。立地自治体だけでなく、事故で影響を受ける全自治体、住民の声をしっかりと聞き、四国電力は再稼働を中止すべきである。
そもそも、本審査の基準となる新規制基準は、欧州加圧水型原子炉の安全基準と比べても不十分であり、住民の安全を確保する避難計画が策定されていないなど、問題が多い。審査をした原子力規制委員会の田中俊一委員長自身も「リスクがゼロと確認したわけではない」と発言しており、安全性が保障されていないことは明らかである。原子力規制委員会は、不完全で危険性の残る新基準を元にした審査を行うのをやめるべきである。
われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、事故による放射能汚染の危険性を内包し、安定処分できない危険な核廃棄物を出し続ける原子力発電所の新設、増設、再稼働を到底容認することはできない。原子力規制委員会は審査書を撤回し、政府・四国電力は伊方原発の再稼働を中止するよう強く求める。